2010 Fiscal Year Annual Research Report
科学的リテラシーの要素としての科学的なデータの見方の研究と教材開発
Project/Area Number |
22500856
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
笠 潤平 香川大学, 教育学部, 教授 (80452663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 正志 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70149558)
谷口 和成 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (90319377)
高橋 尚志 香川大学, 教育学部, 准教授 (80325307)
松本 一範 香川大学, 教育学部, 准教授 (90452664)
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Keywords | 科学教育 / 科学リテラシー / 科学的なデータの見方 |
Research Abstract |
本研究では、市民が、科学・技術に関係する社会的問題に対して合理的判断を持って民主的意思決定に参加するために必要となる科学的データの見方の諸構成要素を同定し、その習得のための小中高校向けの教材と授業プラン・評価方法・付随する教員研修プランを開発し試行すること、および、中学・高校における探究活動におけるデータの科学的な取り扱いの重要性を理解できる教材の開発を行うことを目指している。教材開発にあたっては、現実の社会からの例を取り上げ、また生徒による判断の自由度がある探究活動の体験を取り入れることによって、現在の生徒たちの興味関心に合った教材・授業プランを開発することを意図している。 研究1年目の22年度は、計画通り、香川および京都で小中高現場教員の研究協力者を確保し研究会を行った。内容的には、第1に、市民が身につけるべき科学的なデータの見方・探究活動におけるデータの取り扱い方についての理論的な検討を、疫学および英国のダーハム大学の理科教育研究グループの探究活動におけるデータの見方と証拠の諸概念についての研究成果などを中心に行った。第2に、現場教員および生徒に対する、科学的なデータの見方や探究実験についての日本の学校現場での教育および生徒の意識調査活動についての準備作業を行った。第3に、英国の小中向け理科コース"Thinking Science"の変数の取り扱い、統計的な物の見方、確率、サンプリング等についての教材、同じく英国の高校向けコース"Science in Society"の相関性、疫学的な考え方についての教材を詳しく分析し、それらを用いた教材を、小中高にまたがる協力校で実施したほか、研究代表者・分担者の所属大学での講義・演習で試行的に用いて児童・生徒・学生の反応を調査した。第4に、これらの結果を、物理学会、理科カリキュラムを考える会全国大会などで発表した。
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