2012 Fiscal Year Annual Research Report
疑似科学的広告に対する実用的な科学性評価基準を策定する研究
Project/Area Number |
22500965
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
石川 幹人 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 教授 (20298045)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 疑似科学論 / 広告心理学 / 科学リテラシー / 科学技術社会論 / 科学哲学 / 消費者政策 |
Research Abstract |
本研究では、健康を維持増進するという食品、物品、機器の広告に注目し、その科学性を判別する評価基準を策定した。文献調査をもとに、データ面の評価基準として透明性・再現性・客観性を、理論面の評価基準として論理性・体系性・普遍性を、両面にかかわる評価基準として予測性の7つを、以下のように策定した。 実証的効果を示すデータの観点:透明性では、概念の定義、データの収集や測定方法が明瞭であるか、評価過程の報告が公明正大に行なわれているか、不合理な表現が使われていないかを判定する。再現性では、複数の研究でくり返し確認されているか、第三者による評価が行なわれているか、否定的データがお蔵入りになっていないかを判定する。客観性では、無作為化対照試験などで主観的効果を排除しているか、量的な分析や効果対象の特定化がなされているか、主観的な感想や権威による断定になってはいないかを判定する。 効果の作用聞序を説明する理論の観点:論理性では、説明が矛盾なく一貫しているか、合理的な前提に基づいているか、類推などの飛躍した論法を使ってはいないかを判定する。体系性では、他の科学的知見と接続した説明になっているか、その理論によって、他の科学的知見と矛盾する結果が導かれないかを判定する。普遍性では、広く一般的に成立する理論となっているか、ごく特殊な状況にのみ適用可能な説明になってはいないかを判定する。 データと理論の双方からの観点:予測性では、将来の実験や評価の結果が(確率的にでも)予測可能であるか、すでにそうした予測が検証(確証・反証)されているかを判定する。 これまでの科学性の判定は、とかく理論中心の議論になっている中で、理論面とデータ面を分けることにより、疑似科学広告の判定に実践的に利用できる基準として整備した。さらに実用化に向けて「ユーザ参加型サイトwww.sciencecomlabo.jp」を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)