2012 Fiscal Year Annual Research Report
縄文時代における生業復元のための基礎研究ー魚類遺存体の同定を主としてー
Project/Area Number |
22500978
|
Research Institution | Iwaki Junior College |
Principal Investigator |
山崎 京美 いわき短期大学, その他部局等, 教授 (60221652)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 考古学 / 魚類遺存体 / 同定 / アトラス / データベース / 出土情報 |
Research Abstract |
同定用アトラスを作成する研究は動物考古学の量的・質的向上に関わる重要な分野の一つであるが、煩雑な作業を伴うために研究は遅れている。そこで、本研究では縄文時代の貝塚から高い頻度で出土する魚を中心に考古学者向けの骨格アトラスを作成し、基礎的研究環境を整備することを目的とした。研究対象とした地域は縄文時代の生業研究が進展している関東地方であり、対象とした魚種は沿岸や内陸貝塚で最も出現頻度の高い魚、周知性の高い魚、縄文人の主要漁場と推定される淡水域と汽水域で出土が予想される魚である。現生骨格標本のリストアップと描画対象とする部位および描画面の選定は、研究協力者の小宮孟が担当した。また、同定についての研究動向や標本収集では研究協力者の上野輝彌が担当した。当初予定した魚種は71種であったが、最終的には52種104個体を収集し、そのうち骨格標本作製が完了したのは38種72個体である。 次に、遺跡出土骨の同定で重要な部位として前上顎骨、主上顎骨、歯骨、角関節骨、第1・2・3脊椎骨を対象に、原則として顎骨では外側面観、内側面観、上面観、咬合面観を、脊椎骨では側面観、前面観、上面観、底面観を描画した。現時点では18種80面観の描画を作成している。 一方、遺跡出土の魚骨情報に関するデータベース作成においては、関東地方の遺跡発掘調査報告書や関連する文献について、既製の文献データベースおよび遺存体データベース(科研費研究課題番号:07610409)に303件を追加入力した。 以上の成果の公表については「遺跡から出土する魚骨同定のためのアトラス・データベース」としてwebページに立ち上げ、公表のための準備を行っている。 今後は内容の吟味やデータ更新を行いながら、動物考古学における魚類遺存体の同定精度の向上を目的とした日英併記のデータベースの充実に努力していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)