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2011 Fiscal Year Annual Research Report

がん幹細胞化におけるRb-Ras経路の研究

Research Project

Project/Area Number 22500998
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

シャムマ アワド  金沢大学, がん進展制御研究所, 助教 (50402839)

KeywordsRb / ATM / DNMT1 / p16Ink4a / クロマチンリモデリング / エピジェネティック / がん / 抗がん剤
Research Abstract

DNA損傷応答と細胞老化は、腫瘍の悪性化に強く拮抗するメカニズムである。pRbの欠損が生じると、がん抑制遺伝子の消失による細胞増殖亢進に拮抗する防御機構(がん抑制遺伝子欠損により誘導される老化[TLIS]と呼ばれる)が働き、N-Ras、ATM、ATR、p53、γH2AX、Chk1、Chk2、Suv39h1、HP1γ、p16INK4a、p19Arf、p21といったDNA損傷応答や老化に関わる多くのタンパク質の発現や活性化が誘導され、ヒストンメチル化(H3K9me3)の亢進が起こる。我々は最近、Rb+/-;ATM+/-およびRb+/-;ATM-/-マウスが平均6.5か月以内に悪性甲状腺C細胞腫を発症することや、ATMが介在するDNA損傷応答がTLISに必要であると同時に、クロマチンリモデリングやDNAメチルトランスフェラーゼDNMT1の制御を通じた広範なエピジェネティックな変化をコントロールしていることを発見した。
ATMは、Rb依存的に、アセチル化により誘導されるDNMT1のユビキチン化を制御することにより、DNMT1の発現量をコントロールできることが明らかになった。エピジェネティックな遺伝子発現制御に関わる分子は、がん治療を考える上で有望な標的となってきており、マイクロアレイおよびメチローム配列解析をおこなうことにより、Rb-ATM-DNMT1エピジェネティックスイッチの下流にある分子を同定し、がん治療の新たな標的の特定が可能になると期待できる。
我々はこのプロジェクトを完結させるために、まず最初にATMがDNMT1を直接制御しているかどうかをDNMT1 direct activity assayにより調べる。また、マイクロアレイ分析により、pRB再構成、ATM再構成、DNMT1ノックダウンのいずれにも共通して103種類の遺伝子が発現上昇するという結果を得ており、それらの中でもp161nk4a、FOXO-6、FOXOf2、Shc、Noggin遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化の状態が、異なるRb/ATM/DNMT1の遺伝子型をもつ細胞間でどのように違っているかをバイサルファイトシークエンシングによって明らかにする。締めくくりに、Ink4a-ATMダブルノックアウトマウスに発生する腫瘍をスクリーニングし、分析する計画である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ATMは、Rb依存的に、アセチル化により誘導されるDNMT1のユビキチン化を制御することにより、DNMT1の発現量をコントロールできることが明らかになった。この発見をもとに、マイクロアレイおよびメチローム配列解析をおこなうことにより、Rb-ATM-DNMT1エピジェネティックスイッチの下流にある分子を同定し、がん治療の新たな標的の特定が可能になると期待できる。
エピジェネティックな遺伝子発現制御に関わる分子は、がん治療を考える上で有望な標的となってきており、当該年度の発見は大きな成果であり、プロジェクトを完結させるために重要である。

Strategy for Future Research Activity

我々はこのプロジェクトを完結させるために、まず最初にATMがDNMT1を直接制御しているかどうかをDNMT1 dirct activity assayにより調べる。また、マイクロアレイ分析により、pRB再構成、ATM再構成、DNMT1ノックダウンのいずれにも共通して103種類の遺伝子が発現上昇するという結果を得ており、それらの中でもp16Ink4a、FOXO-6、FOXOf2、shc、Noggin遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化の状態が、異なるRb/ATM/DNMT1の遺伝子型をもつ細胞間でどのように違っているかをバイサルファイトシークエンシングによって明らかにする。締めくくりに、Ink4a-ATMダブルノックアウトマウスに発生する腫瘍をスクリーニングし、分析する計画である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2012 2011 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) Remarks (2 results)

  • [Journal Article] Reversion-inducing cysteine-rich protein with Kazal motifs interferes with epidermal growth factor receptor signaling2011

    • Author(s)
      S.Kitajima, T.Miki, Y.Takegam, Y.Kido, M.Noda, E.Hara, A.Shamma, C.Takahashi
    • Journal Title

      Oncogene

      Volume: 30 Pages: 737-750

    • DOI

      10.1038/onc.2010.448

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ATM regulates DNMT1 protein stability and coordinates its acetylation-driven ubiquitination during Rb loss-induced carcinogenesis2012

    • Author(s)
      A.Shamma, Y.Kido, N.Sasaki, C.Takahashi
    • Organizer
      Gordon Conference (DNA Damage, Mutation & Cancer)
    • Place of Presentation
      Ventura Beach Marriott(アメリカ)
    • Year and Date
      2012-03-25
  • [Presentation] DNMT1 Links DNA Damage Response and Cellular Senescence during Rb deficiency-induced Tumorigenesis2011

    • Author(s)
      A.Shamma, C.Takahashi
    • Organizer
      第69回日本癌学会学術総会
    • Place of Presentation
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • Year and Date
      2011-10-05
  • [Remarks]

    • URL

      http://www.kanazawa-u.ac.jp/~ganken/index.html

  • [Remarks]

    • URL

      http://web.me.com/takahashichiaki/サイト/Home.html

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Published: 2013-06-26   Modified: 2013-10-30  

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