2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22510011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古澤 文江 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 研究員 (70456705)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 人工衛星 / 地球観測 / 水循環 / 環境変動 / 気象学 |
Research Abstract |
昨年度までにTRMM衛星V6の全データ(つまり2011年6月までの13.5年分)の蓄積と初期解析を完了した。また、該当年度にTRMM衛星V7の2013年12月末日までのデータ(16年分)を蓄積し、初期解析については14年分終了したので、後2年分で完了する。初期解析としては、幾つかのパラメータについて扱いやすい0.05度×0.05度のグリッド化したPRデータファイルを陸上・海上・海岸上、対流性と層状性に分けて各地方時刻毎に月毎に作成するという目標はほぼ達成した。作成したパラメータは、観測回数、地表面付近の降水の観測回数とその降水量、X mm/hr以上の降水を観測した回数とその降水量(X=3,20)、降雨頂高度、ブライトバンド高度である。 作成した長期グリッドデータから、降水量、降水強度、強い降水、弱い降水、対流性降水と層状性降水の割合の変動を調べている。変動は、領域・時間の平均値/各地域・各時刻の値、日周変化特性(最も大きな降水量をもつ時刻と、その降水量)/季節変化特性などである。 さらに、2012年12月末日までのVIRSデータの可視赤外における輝度温度から雲情報を調べた。 また、地表面変化と降水特性の関係を調査するために作成している地表面射出率データセットをV6については、存在する2011年6月まで作成して完成させた。V7については、2012年12月末日まで作成した。これらのデータを用い、現在地表面変化と降水特性の関係を調査しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に購入したDELLのPCが遅く、その改善をDELLに相談したが改善不可能ということだったので、ゆっくり初期解析を続けていた。このとき、OSはRed Hat Enterpriseだった。しかし、該当年度、内蔵HDDが壊れたのを機会に、高額な契約を続けるのは大変なのでRed Hat Enterpriseとの契約を更新せず、無料のCentosをインストールしたところ、格段に解析速度が早くなり、研究速度の遅れを挽回しつつある所である。今まではOS、または、PCとOSの相性が悪かったと推測される。 4月現在、TRMM衛星V7の2013年末日までの全データの初期解析の完了目前となった。現在はややまだ遅れているが、次の年度末には遅れをかなり挽回できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年12月末日までのVIRSデータの可視赤外における輝度温度から雲情報を調べたので、2013年についても調べ、長期統計解析を行う。 作成した地表面射出率データセットから、地表面状態の変化を調べ、降水特性の関係(相互作用)を調査しているので、これについてまとめ学会発表を行う予定である。また、この地表面射出率データの作成にはJRA25/JCDASのデータを使用していたが、2014年2月で配布が終了となりJRA55に変わったので、それ以降はJRA55を使用して作成する予定である。 そして、これらの長期データからTRMM衛星観測領域全域におけるグローバルな各地域の降水システムの気象学的特徴(日変化特性等)の長期変動(トレンド)の地域特性を詳細に捉え、エルニーニョ、ラニーニャなどの影響評価を行う。さらに、水文学的に重要な支流毎の解析を行い、支流毎の降水特性のトレンドも評価する。最後に、全部の結果をまとめる。同時に、これらを2014年2月に打ち上げに成功した全球降水観測計画衛星GPMのデータ評価・アルゴリズム評価に使うことで、アルゴリズムの改善に寄与する。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] 2台のKa帯レーダによる 降雨強度の推定2014
Author(s)
辻航平, 中村健治, 古澤(秋元)文江, 西川将典
Organizer
SMaP(Global Satellite Mapping of Precipitation)および衛星シミュレータ合同研究集会
Place of Presentation
名古屋大学環境総合館レクチャーホール
Year and Date
20140218-20140219
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