2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22510016
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
馬場 光久 北里大学, 獣医学部, 准教授 (70286368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞家 永光 北里大学, 獣医学部, 講師 (00453514)
高松 利恵子 北里大学, 獣医学部, 講師 (90327461)
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Keywords | 長伐期施業 / 大気由来の窒素沈着 / 窒素飽和 / 窒素無機化 / 土壌呼吸 / 物質収支 |
Research Abstract |
長伐期施業の進められているスギ林あるいはスギ-ヒノキアスナロ(ヒバ)林において大気由来の窒素沈着の物質循環に対する影響、およびヒバを含めた下層植生の物質循環の役割を明らかにすることを本研究の目的とした。 スギ林における溶存有機炭素移動量は深さ0cmにおいて8300 mg m^<-2>yr^<-1>とスギ-ヒバ林の5800 mg m^<-2>yr^<-1>よりも多かったが、深さ10cmではスギ林で2700 mgm^<-2>yr^<-1>、スギ-ヒバ林において2900 mg m^<-2>yr^<-1>であった。また、深さ90cmにおいてはスギ林で240 mg m^<-2>yr^<-1>、スギ-ヒバ林において310 mgm^<-2>yr^<-1>であった。また、スギ-ヒバ林における土壌呼吸量はスギ林に比べて2倍以上多かった。スギ-ヒバ林においてはヒバの植栽密度が高いこと、下層植生が多く繁茂していることから根の呼吸が影響していると推察された。 スギ林における無機態窒素移動量は深さ10cmにおいて1200 mg m^<-2>(9 months)^<-1>と、スギ-ヒバ林における570 mg m^<-2>(9 months)^<-1>の2倍以上であったが、溶存有機態窒素移動量はスギ林において370 mg m^<-2>(9 months)^<-1>、スギ-ヒバ林において310 mg m^<-2>(9 months)^<-1>であった。深さ10cmにおいては無機態窒素移動量、溶存有機態窒素移動量がスギ林においてそれぞれ900 mg m^<-2>(9 months)^<-1>、170 mg m^<-2>(9 months)^<-1>、スギ-ヒバ林において260 mg m^<-2>(9 months)^<-1>、260 mg m^<-2>(9 months)^<-1>であった。これらのことから、スギ-ヒバ林では溶存有機態として移動する窒素の割合がスギ林に比べて相対的に高いことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請書に記載した「優占する数種類の植物数個体を選び、葉の展開期、展開終了後、開花期、結実期、紅葉期など生物季節学において重要と考えられる時期に葉(必要に応じて花や実)を採取して植物体分析を行うフェノロジー解析」や、「ケイ素の測定および溶脱量の評価」が十分に実施できていないが、これ以外については順調に進展していると判断されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度も24年度と同様に推進する。フェノロジー解析については、他の実施項目との兼ね合いを考慮して必要に応じて計画を見直して修正する。ケイ素については平成24年度末に導入された自動分析装置を利用することにより、分析が容易になることから、これまでに採取した試料も含めて分析することとする。
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Research Products
(6 results)