2012 Fiscal Year Annual Research Report
環境政策史の確立及び日独の容器包装廃棄物政策に関する環境政策史研究
Project/Area Number |
22510042
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
喜多川 進 山梨大学, 医学工学総合研究部, 講師 (00313784)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 環境政策史 / 環境政策 / 廃棄物政策 / 環境史 / 公害史 / 環境政策研究方法論 / 環境学 |
Research Abstract |
環境政策の誕生背景、政策過程、その後の変遷を、政治的・社会的・経済的文脈のなかに位置付けて歴史的に研究することは、その政策の真髄をより明らかにし、今後の政策形成への指針を与える。この問題意識に立ち本研究では、環境政策の展開を歴史的に考察する「環境政策史」という新しい研究領域の確立、さらに環境政策上の重要な責任原則である拡大生産者責任を生み出したドイツの容器包装廃棄物政策に関する環境政策史的考察をおこなった。 環境政策史という用語は、これまで日本のみならず海外においても、環境経済学・環境法学等の講義の導入部において、主要な法制度や政策を時系列的に説明する際などに用いられてきたにすぎず、本格的な研究領域として認識されることはほとんどなかった。本研究は、環境政策史を新しい研究領域として位置付けるものであり、環境政策史は環境政策研究における新しい「マニフェスト」でもある。 環境政策史の確立に関する成果は、次のとおりである。まず、環境政策に関する歴史的研究の動向を検討し、環境政策史が必要とされる背景を解明した。そして、環境政策の性格変容の解明をはじめとし、これまでの環境政策の実態を詳細に把握する環境政策史は、これからの環境政策を構想するうえでも有用であることを示した。さらに、発展した一方で分断化も進んだ環境経済学、環境政治学、環境法学、環境社会学といった環境政策に関わる諸学問を、環境政策史が架橋する可能性も示した。そのうえで、環境政策史は、都留重人・宮本憲一らによる日本の公害研究の成果を再発見し、発展させるものでもあると結論付けた。 また、環境政策史アプローチによる事例研究から、ドイツの容器包装廃棄物政策が、通説とは異なり、選挙での集票及びドイツ再統一等の政治的要因、廃棄物処理分野での民営化推進及びリサイクルビジネスの欧州での新規展開等の経済的要因を背景に進められたことを解明した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)