2011 Fiscal Year Annual Research Report
木造住宅市場における消費者の満足度向上のための「情報の非対称性」の解明
Project/Area Number |
22510052
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
宮本 基杖 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, チーム長 (60343779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立花 敏 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (50282695)
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Keywords | 住宅市場 / 消費者 / 施工者 / 情報の非対称性 / 住宅満足度 |
Research Abstract |
住宅購入を希望する消費者が持つ情報の質と量を把握するために、茨城県つくば市周辺の新築住宅購入者を対象に行ったアンケート調査(1300世帯に調査票配布、199通返信)のデータを統計分析した。その結果、次のことが明らかになった。 満足のいく住宅づくりに有効な情報収集方法として、(1)最も有効な情報収集方法は、住宅見学と営業マンである、(2)住宅の基本的な情報(工法など)をはじめ多くの種類の情報を収集する、(3)契約の決め手については、建築費だけでなく住宅見学や営業マンを含む複数の項目を検討する、(4)納得のいく情報を提供する住宅供給者を選択する、以上の4点が示された。 さらに、住宅市場において消費者が直面する問題として、次の3点が明らかになった。 (1)住宅購入において消費者の情報収集方法が限られている(住宅見学、営業マン、インターネット、住宅購入雑誌)。(2)限られた情報源の主要なものは住宅供給者の提供するものであり、しかも住宅供給者によって提供情報の質と量にばらつきがある。(3)中立・客観的な情報源が不足している。インターネットや雑誌・書籍は中立であるが、有効性はそれほど高くない。消費者が利用できるような専門の雑誌・書籍・情報発信が少ない状況も明らかになった。 さらに、札幌市とつくば市の木造住宅供給者(大工工務店、ハウスメーカー、設計事務所)に対して、消費者に提供する情報に関するアンケート調査を実施し、調査結果のデータファイルを作成した。調査対象は、札幌市80社、つくば市4社の計120社である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
住宅市場における消費者と施工者の情報に関するアンケート調査と分析が順調に進んでいる。具体的には、消費者の住宅購入時の情報収集と住宅満足度の関係をアンケート調査からある程度明らかにできたとともに、施工者の情報収集・提供についてもアンケート調査を実施しデータファイルを作成したところである。
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Strategy for Future Research Activity |
札幌市とつくば市周辺で実施した施工者調査のデータ分析を行う。また、新築木造住宅取得者に対するアンケート調査を札幌市内で実施し、すでに実施したつくば市周辺の同様の調査と比較する。最終年度にあたり、住宅市場における情報の非対称性の問題を明らかにするため、住宅供給者と消費者の情報の差を検討するとともに、住宅満足度を上げるための課題を抽出する。
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Research Products
(4 results)