2012 Fiscal Year Annual Research Report
海洋性アナモックス細菌の高濃度集積培養系の確立とリアクター化への展開
Project/Area Number |
22510085
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
金田一 智規 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10379901)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | アナモックス / 窒素除去 / 集積培養 |
Research Abstract |
本年度では、海洋環境中から集積された “Ca. Scalindua sp.”に対し、浮遊状のバイオマス(シングルセル)を得るためにメンブレンバイオリアクターを運転した。シングルセル化が確認されたあと、生理学的特性の把握を行った。検討項目は、温度範囲、塩分範囲、pH、亜硝酸及びアンモニアによる阻害、亜硝酸及びアンモニア親和性、菌体収率、増殖速度などである。 メンブレンバイオリアクターの運転開始から330日程度で“Ca. Scalindua sp.”属の細菌がシングルセル化した。このバイオマスを用いて増殖温度、塩分、pH範囲の測定を行ったところ、10-30°C、pH6.0-8.5、塩分濃度0.8-4.0%で活性が確認された。温度に関して20-30°Cで比較的高い活性が確認された。塩分濃度が0.8-2.0%の範囲で増加するに連れて活性が高くなり、好塩性微生物であることが明らかとなった。亜硝酸及びアンモニウムによる高濃度阻害試験の結果、亜硝酸濃度が7.5 mMにおいて50%の活性減少が確認されたが、アンモニウムにおいては試験濃度範囲7-16 mMにおいて阻害影響は確認されなかった。亜硝酸に対するKs値は0.45 μM、アンモニウムに対するKs値は3.0 μMであった。菌体収率は0.030 [mol C (mol N)-1]であり、淡水のアナモックス細菌の半分程度であった。連続リアクター試験によって得られた最大アンモニア酸化速度と菌体収率から最大増殖速度を算出したところ、0.0020 h-1であり、これは倍加時間14.4 dayに相当した。他のアナモックス細菌と比較しても非常に倍加速度が小さく、これは菌体収率の小ささが要因であることが明らかとなった。一方で、最大アンモニア酸化速度は他のアナモックス細菌と大差が無いことから、実際の処理にも適用できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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