2012 Fiscal Year Annual Research Report
近傍構造と近似モデルを利用した効率的制約付き最適化手法に関する研究
Project/Area Number |
22510166
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
高濱 節子 広島修道大学, 商学部, 教授 (60186989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海生 直人 広島修道大学, 経済科学部, 教授 (80148741)
廣光 清次郎 広島修道大学, 経済科学部, 教授 (90043827)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 非線形最適化 / Differential Evolution / 近傍構造 / 近接グラフ / 種分化 / 高次元最適化 / ε制約法 / アーカイブ |
Research Abstract |
本研究は,多峰性の目的関数や厳しい制約領域を有する最適化問題,関数の計算費用が高い最適化問題に対して,近傍構造と近似モデルを利用した効率的かつ汎用的な最適化手法を検討することを目的としている.本年度は最適化問題を対象に差分進化(DE)を用いた以下の研究を行った.(1)DEは,制御パラメータであるスケーリングファクターF,交叉率CR,集団サイズNPの値によって探索性能に大きな差が出る.昨年度FとCRについて,基本ベクトルのランク情報に基づき個体毎に値を固定的に値を設定するパラメータ設定法を提案し,DEに適用したRank-based DE(RDE)を提案した.今年度は,稜構造関数や多峰性関数などDEにおいて探索性能が低下する困難な問題を含む13個のテスト問題にRDEを適用し,標準的DEや様々の工夫をしたDE,成功でパラメータ調整を行うJADEと比較し,RDEの有効性を示した.(2)昨年度,探索点のランク情報に基づきパラメータ値を設定するεDEであるεRDEを提案した.今年度は,等式制約や制約領域が非連結な場合など探索が困難な問題を含む12個のテスト問題にεRDEを適用し,他のEAによる最適化手法と性能比較し,εRDEの有効性を示した.(3)高次元の大規模なNLP最適化問題を解くために,少数の探索点と多様性を維持するためのアーカイブを用い,ランク情報に基づきスケーリングファクターFの値を固定的に設定するDE(LMDEa)と動的に設定する(LMaDEa)を提案した.高次元のテスト関数を最適化し他手法と比較しその有効性を示した(4)前年度に引き続き種分化を用いたDEであるSDEについて検討を行った.今年度は近接グラフを用い,親と連結した個体で種を構成し最良個体を種とするSDEについて検討を行った.近接グラフとしてはGabrielグラフ,相対近傍グラフ,競合ヘブ則によるグラフを用いた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
制約なし最適化問題において探索性能が低下する稜構造や多峰性関数の問題に対して,探索点のランク情報を用いて関数の景観を把握するRDE,種分化を導入したSDE,近接グラフを用いて関数景観を把握するGDEなどを提案し,いずれも関数評価回数の削減及び探索性能の向上を図ることができた.これらの研究はいずれも,探索点近傍における目的関数の概形を把握する手法を提案し,探索点毎に制御パラメータを調整する方法である. 更に,制約付き最適化問題においてRDEについてはε制約法を適用したεRDEについても検討を行い,他手法に比べて高い探索性能を確認した.また,探索空間の次元が非常に高い問題に対して,少数の探索点と多数の点からなるアーカイブし漸次活用することにより,他手法に比して同様の評価回数でより効率的に探索を行うことができることを示した.
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Strategy for Future Research Activity |
現在,近接グラフを用いたDEについて更に改良を進めている. 今年度は当初の計画通り,ε制約法,近傍構造と目的関数値を利用した最適化手法,比較推定法を統合した制約付き最適化手法を構築する予定である.今年度の研究では,様々な制約付き最適化問題に対して,ε制約法,近傍構造と目的関数値を利用した最適化手法,低精度近似モデルを利用した比較推定法を組み合わせて適用する.これにより,3手法を統合し構成した最適化手法が,汎用的で,探索効率の高い制約付き最適化手法であることを検証する予定である.
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Research Products
(17 results)