2010 Fiscal Year Annual Research Report
港湾労働者における作業関連性健康障害要因アセスメント手法の開発研究
Project/Area Number |
22510184
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
尾之上 さくら 関東学院大学, 工学部, 助教 (60214194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛利 一平 (財)労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (70275345)
吉川 徹 (財)労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (50332218)
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Keywords | 港湾労働 / 港湾労働者 / 健康障害発生メカニズム / ストレス関連遺伝子解析 / 健康障害予防マトリクスツール |
Research Abstract |
本年度は、研究協力依頼および研究試料収集、作業場所や作業態様ごとの労働負担・作業環境評価に重点を置いた。研究協力依頼および研究試料収集については、横浜港を管理統括している横浜港運協会の常務理事事務局長林茂信氏と、横浜港での荷役業務を統括している横浜港湾荷役協会の常務理事蛭田米一氏に協力を求めた。また、社団法人横浜港湾福利厚生協会の藤木幸夫会長が代表を務める藤木企業株式会社の代表取締役副社長高橋幹雄氏に対して研究の重要性を説明し協力を依頼した。財団法人港湾労働安定協会横浜支部支部長波多野宗氏に対しても研究協力を依頼したところ、全面的な協力を頂くことができ、港湾労働安定協会横浜支部が主催する平成22年度第2回雇用管理者研修会(平成23年2月17日開催)で本研究の主旨を説明する機会が与えられ、研修会に集まった多くの企業に対して広く協力を求めた。このような研究協力依頼を行った結果、本年度は株式会社鈴江組、株式会社山九海陸の2社に対してヒアリング調査(7名)およびアンケート調査(20名)を実施した。その結果、港湾労働の中で大変だと思う事として、管理監督者からは人間関係や若手教育の難しさが挙げられ、現場責任者および現場労働者からは、荷役業務が土・日曜日に集中するために休日が取り難いことや、眠気のために人為的なミスを起こしやすい夜間勤務時に集中力を維持することが大変だという声が聞かれた。健康面については、管理監督者や中高年齢労働者に精神的負担を感じている人が多く、現場責任者および現場労働者には腰痛などの筋骨格系疾患、眼精疲労に加え、尿路結石症に罹患したことのある人の割合が高かった。安心・安全な職場づくりについては、両企業とも労働災害を減少させるために、安全委員による安全衛生教育が徹底されるとともに職場の危険性が調査され、危険をなくすための対策がとられていることが明らかとなった。
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