2011 Fiscal Year Annual Research Report
港湾労働者における作業関連性健康障害要因アセスメント手法の開発研究
Project/Area Number |
22510184
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
尾之上 さくら 関東学院大学, 工学部, 助教 (60214194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛利 一平 (財)労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (70275345)
吉川 徹 (財)労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (50332218)
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Keywords | 港湾労働 / 港湾労働者 / 健康障害発生メカニズム / ストレス関連遺伝子解析 / 健康障害予防マトリクスツール |
Research Abstract |
本研究に対しては、これまでに横浜港運協会、横浜港湾荷役協会、社団法人横浜港湾福利厚生協会、財団法人港湾労働安定協会(横浜支部)からの協力を取り付けた。その上で、平成23年10月28日に開催された横浜港荷役協会理事会にて、副会長から港湾関連企業10社に対して本研究への協力要請がなされた。私どもは、協力頂く港湾関連企業10社の労務部長あるいは人事部長に対して、本研究の説明会(開催日;平成23年11月8日)を行った。港湾関連企業10社の協力のもと、本年度は「雇用労働条件と労働者の健康管理状態の評価」および「安全管理状態の評価」に重点をおいて研究を行った。 港湾労働者における雇用労働条件と健康管理状態を評価するために、1企業あたり10名に対して自記式質問紙調査を行った。自記式質問紙の質問項目は、心身の健康状態や自覚症状、生活習慣、雇用形態、仕事への取り組み方等である。自記式質問紙調査票の回収率は96%(96/100)であった。現在、記載された自記式質問紙をもとに港湾労働者における雇用労働条件と健康管理状態の評価を行っている。また、ストレスに対する感受性や抵抗性を評価するために、自記式質問紙調査に協力頂いた港湾労働者に対して唾液の提供をお願いした。唾液サンプルの回収率は89%(89/100)であった。現在、唾液から抽出したゲノムDNAを用いて、ストレス関連遺伝子セロトニン輸送体遺伝子の遺伝子解析を行っている。 さらに、仕事に関連した健康影響やその原因を明らかにすることを目的に、1企業あたり3~4名(管理者1名、労働者2~3名)に対して聞き取り調査を行った。調査内容は、健康面や仕事に関わる問題、最近の災害事例やヒヤリハット体験等である。聞き取り調査には、32名の協力が得られた。これらの調査結果をもとに、作業関連性健康障害発生メカニズムの解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
港湾というフィールドにおいて、自記式質問紙調査票96名分、ストレス研究用サンプル89名分を回収することができ、聞き取り調査では32名の協力を得られたことは1つの成果と考える。評価、解析については終了していないが、おおむね順調に進展しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度収集した情報をもとに、作業関連性健康障害発生メカニズムの解析を速やかに行っていきたいと考えている。 研究計画のなかで、作業場所や作業態様ごとの労働負担および作業環境を評価するために、労働環境中の汚染物質や粉塵等の測定を行うことを予定していたが、港湾労働者が作業を行っている岸壁、コンテナヤード内、倉庫内、船内、船上へ作業員以外の者が立ち入ることは極めて難iしいことが分かった。今回協力頂いた港湾関連企業には可能な限りでの協力を再度お願いしたいと考えている。
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