2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22510200
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
足立 アホロ 気象庁気象研究所, 気象衛星・観測システム研究部, 主任研究官 (80354520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 洋 気象庁気象研究所, 気象衛星・観測システム研究部, 主任研究官 (00354522)
増田 一彦 気象庁気象研究所, 気象衛星・観測システム研究部, 室長 (90354513)
石元 裕史 気象庁気象研究所, 気象衛星・観測システム研究部, 主任研究官 (70281136)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 気象災害 / レーダー / 雲 / 降水 |
Research Abstract |
これまでに開発したレーダーシミュレーターの結果を実際のレーダーの観測データに応用してその有効性の検証を行った。具体的には気象研究所のC-band 偏波レーダーで豪雨を伴う積雲と豪雨を伴わない積雲を観測し、シミュレーターの結果を用いてその観測データに仰角補正、減衰補正、固体降水(アラレなど)の影響の除去などを行い、さらに雲内の液水量や降雨強度などの推定を行った。その結果、豪雨を伴う積雲では例えば地上で100mm/hを超える強い雨が降る15分ほど前に上空4km程度付近では単位体積あたり4 gを超える液水が存在し、また10分程度前から60mm/h程度の降雨域が上空に発生し、時間と共に強度や領域体積を増やしながら地上に落下してくる様子が捉えられた。また豪雨を伴う積雲は上空の降雨強度が強化される以前から、偏波データの一つである反射因子差(Zdr)の大きい(>3dB)領域が雲底付近から周囲の気温が0℃となる高度よりも高い高度まで鉛直方向に伸びていることがわかった。これは積雲内部の上昇流により雲底付近の大粒の雨粒が上空に輸送されているためだと考えられる。シミュレーションの結果、これらの大粒の雨は周囲の気温が0℃となる高度を超えても液体であることがわかった。すなわち下層の暖かい大気が上昇流により雨粒とともに局所的に上空に輸送されていることを示唆している。上昇流が強いほど大粒の雨は0℃となる高度よりさらに上空まで到達するため、その到達高度が積雲のその後の発達を推定する目安となる。一方、これらの特徴は豪雨を伴わない積雲では見られなかったことから、上空の高い液水量や降雨強度、0℃層より上空まで達するZdrの大きい領域の到達高度が、豪雨を伴う積雲と伴わない積雲を事前に特定するための指標になり得ることを示唆している。これらの結果は気象学会や国際学会などに発表した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)