2012 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化・人口減少・財政危機が進む地域再生のあり方についての研究
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22510278
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
橋本 行史 関西大学, 政策創造学部, 教授 (30319826)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 地域活性化 / 地域主義 / 地域活性化指標 |
Research Abstract |
グローバル化・人口減少・財政危機が進むが、条件不利地域の代表とも言える北海道夕張周辺地区の地域再生についての調査結果によれば、過疎衰退が進むなかにあって地域全体を底上げするような再生事例は発見できなかった。ただ、ミクロの視点で見れば個別の企業や市民活動などによる地域再生の成功事例を見出すことができた。それらの事例は、企業独自の合理的な経営判断(漢方薬メーカー、環境関連企業の進出)、恵まれた自然環境と地場食材の活用・食のトレンドへの合致(農家レストランの盛況)、類稀な個人的資質(市民国際映画祭の継続、被災者受入れのボランティア活動など)などを要因とするもので、行政の支援政策に拠らない点で共通していた。この事実は、内外の環境要件によって条件不利地域の過疎衰退が不可避であるとしても、必ずしも全ての地域が過疎衰退に陥る訳でなく部分的には再生できる地域があること、及び、それらの地域は行政の公共投資や財政支援に依存するのではなく、地域資源の活用や個別の企業・個人の活躍によって引き起こされること、即ち、言わば地域主義によって再生されることを示唆している。 次に地域活性化の概念を再定義した。地域活性化を名にした多くの政策が展開されているが、地域の実情の違いによって目的・主体・方法、そして評価基準も異にすることから政策効果を測定することが困難になっている。ただ概念を限定すると疲弊した地域の多様なニーズに応えられないので、本研究は広い概念を採用した。一方、過疎衰退の進展で経済発展が困難な地域も増えており、経済発展だけでなく、人と人のつながり強化、サスティナビリティを重視する環境保護など、複数の活性化指標を用意する必要が生まれているので、その延長線上にある主観的指標と合わせて採否を検討した。なお、地域活性化指標は、国が一律に決定せず、地域がその実情に合わせて自ら決定することを提案している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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