2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22510288
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
山崎 明子 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教 (30571070)
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Keywords | ジェンダー / 教育学 / 視覚文化 / 学校文化 |
Research Abstract |
本研究は、学校空間における視覚文化をジェンダーの視点から分析することを目的としている。特に、近代女子教育において視覚文化の授受がいかなるジェンダー規範と連関を持ち、またその規範獲得に視覚文化がいかに機能したのかを明らかにするものと位置づけられる。 23年度は、史料収集を中心に行なった。主に全国の女学校関係の年史史料、新聞・雑誌の記録、写真資料を主にし、その他古書、行政文書などについて収集を行なった。特に、写真資料が本調査の中心になるため、可能な限り年代等の特定と画像データ化の作業を行なってきた。具体的には、学校空間を写した写真、絵画、挿絵などのイメージの収集と分析、また学校案内史料や、女学生が制服を着たイメージなど、女学校生活を視覚的に形成しそのイメージを定着させてきた経緯を追ってきた。 また、全国に残る女学校の近代建築の調査、建築家の意図、創設者の意志を反映した文献、さらには制服制定の経緯や入学・卒業時の記念写真など、多様な視覚イメージの創造と操作によって「女学生」と「女学校」のイメージが定着・流布するための調査を行なってきた。特に奈良女子高等師範学校に残る校史関係史料の基礎調査によって、学校イメージの形成に関する視覚史料を収集した。 上記史料調査の結果は、23年度中に発表することができなかったため、検証・発表が24年度の大きな課題として残されている。24年度は、23年度に引き続き女学校空間を構成する視覚文化関係の調査を行うとともに、これらの史料の検証作業を進め、学会等への発表を行なっていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度は、集中的な調査研究をすることが困難な勤務状況であったため、その作業のほとんどを資料収集に費やすことになった。計画していた長期調査ができなかったため、資料読解と短期調査のみとなったために、進捗状況は遅れ気味と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、当初予定していた調査が遅れているため、その遅れを取り戻しつつ24年度前半期に史料調査を集中的に行う計画である。また、複数並行して進めている調査(女学校の視覚空間、女学校の視覚イベント等)をいくつかの論文としてまとめていく予定である。
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Research Products
(1 results)