2010 Fiscal Year Annual Research Report
大韓帝国期における国家学と反国家思想の受容に関する研究
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22520070
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
権 純哲 埼玉大学, 教養学部, 教授 (80253178)
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Keywords | 韓国思想 / 近代学問 / 国家学 / 反国家思想 / 植民地主義 |
Research Abstract |
大韓帝国における国家学・反国家思想の受容実態を、近代学術の伝授と受容の観点から究明しようとするこの研究の初年度の実施状況はつぎのようである。 (1)購入した『独立新聞』『皇城新聞』『協成会会報・毎日新聞』の国家学、国家主義、帝国主義批判・革命思想・無政府主義の関連記事の目録作成に着手し、法学・政治学・経済学などの国家学関係図書の内容分析と《原書:翻訳書》の対照分析にも着手し、作業を進めている。 (2)卞栄晩訳『二十世紀之大惨劇帝国主義』(1908年)の内容分析を行うとともに、その原本『時代之趨勢』について調査した。Reinsch,Paul Smith (1869~1923)著"The World Politics"が参考されるなど、当時日本に紹介されていた最新の研究情報が含まれていることが確認でき、帝国主義に関する翻訳や研究が比較的盛んであった明治期の学術思想状況を精査しながら、それがどのように韓国知識人に影響を与えたか、当時韓国発刊新聞・雑誌記事を通じて整理分析を行っているところである。当初予定した論文執筆までには至らず、次年度に完成し発表する。 (3)二回行った韓国出張においては、釜山近代博物館見学とソウル大学法科大学の法官養成所展示室の見学を通じて、韓国近代の資料に直接接することができた。韓国における最新研究書を購入するとともに、国立中央図書館、高麗大学図書館、延世大学図書館、成均館大学図書館において当時の国家学関係図書を調査、収集した。研究者に会い意見交換を行うとともに最新研究情報をも収集することができた。 (4)この研究課題と関連する「韓国併合」百年を迎え、「韓国併合」に関する最近の研究成果を整理し、「日本の思想課題として『韓国併合』-『韓国併合』百年ノート」を『埼玉大学紀要(教養学部)』に発表した。
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Research Products
(2 results)