2012 Fiscal Year Annual Research Report
大韓帝国における国家学・反国家思想の受容に関する研究
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22520070
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
権 純哲 埼玉大学, 教養学部, 教授 (80253178)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 国家学 / 反国家思想 / 帝国主義 / コロニアリズム / 近代学問 / 翻訳 |
Research Abstract |
近代的国家体制構築のさなか、侵略を露骨化しつつある日本との友好関係の維持に腐心していた大韓帝国に受容される近代学問と思想が如何なる役割を果たしたか、という問題意識のもと、とくに国家学・反国家思想の受容実態を、近代学術の伝授と受容の観点から究明しようとする本研究の最終年度である本年においては、反国家思想の受容実態を究明すべく、帝国主義に対する批判書を訳述した卞榮晩の生涯と学術活動についてあらためて調査整理した後、卞榮晩訳述書の原書の正体を明らかにするとともに、訳述書と原書との対照を通じて訳述書の内容について分析考察した。 以上の研究成果は、「卞榮晩訳『世界三大怪物』と『二十世紀之大惨劇帝国主義』について ― 大韓帝国知識人の帝国主義理解の一端」『埼玉大学紀要(教養学部)』第48巻第2号、2012として発表した。 また、韓国出張の際には、研究成果について韓国学中央研究院李鍾徹教授・成均館大学校孫炳奎教授・高麗大学校趙明哲教授と意見交換を行い、近代出版物の概念用語に対する調査研究ファン・ホドク、イ・サンヒョン著『概念と歴史 近代韓国の二重語辞典』研究編・翻訳編2012、検閲研究会編『植民地検閲』2011など最新研究書を入手することができた。 これら新刊研究書を通じて、韓国における近代学術用語・概念に関する最近研究内容につきその質と量をうかがうことができ、研究者との意見交換を通じては最近の研究動向を把握することが出来た。そのいっぽう、卞榮晩訳述書の原書の正体を明らかにした本年度の研究成果がもつ意義をも改めて確認することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)