2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本における西洋哲学の初期受容-清沢満之の東京大学時代未公開ノートの調査・分析-
Project/Area Number |
22520083
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
池上 哲司 大谷大学, 文学部, 教授 (60121521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 一功 大谷大学, 文学部, 教授 (50238242)
村山 保史 大谷大学, 文学部, 准教授 (70310646)
加来 雄之 大谷大学, 短期大学部, 教授 (10214264)
藤田 正勝 京都大学, 文学研究科, 教授 (90165390)
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Keywords | フェノロサ / 清沢満之 / 西洋哲学 / 日本哲学 / 仏教 / 外国人教師 / 近代思想 / 東京大学 |
Research Abstract |
研究実施計画として設定しておいた課題は、以下の通りである。(1)講義録の編集(資料調査、外国人哲学教師資料作成を含む)、(2)講義録の思想的分析、(3)清沢満之における西洋哲学思想受容の思想的分析。 このうち(1)が平成22年度の重点課題であった。(1)については、(A)資料調査として、金沢大学附属図書館、東京大学総合図書館(2度)、早稲田大学演劇博物館、国立国会図書館(2度)に出張を行った。まず清沢以外の筆記者によるフェノロサ講義録としては、まだ学界で存在を知られていない、金沢大学附属図書館の「高嶺三吉遺稿」を本研究が初めてデジタルデータ化し、分析に着手した。早稲田大学演劇博物館では「坪内逍遙手書きノートブック」の一部をデジタルデータ化した。国立国会図書館憲政資料室では「阪谷芳郎関係文書」を入手、これまで阪谷筆記のものとしては報告のなかった社会学講義を含むことを確認した。これらは清沢筆記の講義録編集時に必要な資料である。外国人哲学教師関係資料は、東京大学総合図書館所蔵の資料を収集した。(B)編集作業としては、市島謙吉の「フェノロサ哲学講義」および清沢の講義録の編集に着手した。(A)(B)作業進捗確認のため、(C)研究会を行い(6度)、研究活動成果一般公開作業の一環として、2月25日に外部講師(山口静一氏)を迎え、(D)公開講演会を開催した。本研究は大谷大学に附置された真宗総合研究所の一般研究にも位置づけられるものであるが、同研究所紀要における平成22年度の研究成果の掲載が次年度となることから、(E)学術論文「東京大学外国人哲学教師資料」の公開は平成23年度に行う。なおHPでは、(1)全体にかかわる研究進捗状況を、逐次、一般公開した。 (2)と(3)は、(1)の作業がある程度進捗した後の平成23年度以降の重点課題であるが、(3)関係として、清沢を介してフェノロサ思想の影響を受けた諸思想についての研究等の成果を、本報告書下記11に記しておく。
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Research Products
(5 results)