2010 Fiscal Year Annual Research Report
オーラルヒストリーによる1960年代前衛美術研究の再構築
Project/Area Number |
22520103
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
加治屋 健司 広島市立大学, 芸術学部, 准教授 (70453214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 裕子 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (20507058)
牧口 千夏 独立行政法人国立美術館京都国立近代美術館, 学芸課, 研究員 (90443465)
粟田 大輔 東京芸術大学, 美術学部, 講師 (60537421)
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Keywords | 美術史 / 美学 / オーラル・ヒストリー / 日本美術史 / 現代美術 / 前衛美術 |
Research Abstract |
本年度は、オーラル・ヒストリー(口述史料およびその研究)の手法を用いて、1960年代を中心に前衛美術の文脈で活動した美術家、デザイナー、写真家、音楽家、研究者およびその家族に対する聞き取り調査を行った。九州派、読売アンデパンダン展、幻触、もの派、美術家共闘会議などの美術動向に関わった美術関係者16名に対して、合計28回のインタヴューを実施した。今回の聞き取り調査の対象には、福岡や静岡など地方を拠点に活動した美術家、女性の美術家、アメリカ国籍の美術団体関係者も含まれている。前衛美術運動は、美術という普遍的な概念のもとで先端的な表現を追究し、その概念を更新しようとした運動と考えられることが多いが、本研究の結果、地方の文化や社会、ジェンダーの諸問題、国内外の美術動向の差異などと深く関係しながら、多様な個別的論点を含んで展開した動向であることが分かった。 聞き取り調査の研究成果であるオーラル・ヒストリーは、研究代表者、研究分担者および研究協力者が作成したwebページにおいて原則的に公開することにしており、調査が済んだものから順次、公開している。美術家はもともと、自らの活動を言葉で説明した文章を記録として保存することが少ないが、本研究は、そうした機会がとりわけ少ない地方の美術家や運動の周縁にいた者などを含めて、幅広い層の美術関係者に対して聞き取り調査を行うものである。1960年代の前衛美術に関する美術関係者のオーラル・ヒストリーは、前衛美術の展開を多角的・総合的に明らかにするうえで意義深いと同時に、歴史資料の充実をもたらすため、前衛美術に関する基礎的研究を再構築する重要な活動であると考えている。
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Research Products
(6 results)