2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520111
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Research Institution | Musashino Art University |
Principal Investigator |
田中 正之 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (70290872)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 美術史 / 美学 / 博物館学 / 芸術諸学 |
Research Abstract |
本研究は、モダンアートの展示空間の歴史的調査を行い、とりわけ所謂ホワイトキューブ的展示空間とは異なる、そのオルターナティヴともいえる展示空間の意義を再評価し、ホワイトキューブとは異なる展示空間の在り方、そしてそれによってうみだされる作品の意味について考察することを目的としている。 本年度行った最も重要な調査は、ロサンゼルスのゲッティ・リサーチ・センターにおけるエル・リシツキー関連資料に関してのものである。ゲッティ・リサーチ・センターには、エル・リシツキーの遺族から入手した書簡、写真等の一次資料が所蔵・保管されており、本研究テーマとの関連する内容のもの、ドレスデンの「構成主義美術のための空間」およびハノーファーの「抽象の展示室」についての言及のある書簡の調査を行うとともに、それらの展示空間のデザインの写真資料を精査した。同センター内の図書館において、リシツキーに関する貴重な二次文献(同時代雑誌など)の調査も行い、複写等を行い、同時代の雑誌等に掲載された記事を中心にリシツキー関連の資料の収集をはかった。 ニューヨークにおいては、おもにニューヨーク近代美術館において調査を行い、フレデリック・キースラー関連の調査を進めた。また、同美術館で開催されていた抽象美術に関する展覧会Inventing Abstraction 1910-1925の展示作品を中心に、20世紀初頭の抽象美術の実作品を調査するとともに、抽象美術の意味を考察し、上記のリシツキーの展示空間のデザインと20世紀初頭に抽象美術で探求された(とりわけ静態的タブローを超えた可動性や誘導性)問題との密接な結びつきを探った。この点に関視点は、下記の公表論文「エル・リシツキー、抽象美術、展示空間―非ホワイト・キューブ的展示デザインをめぐって―」において論じた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)