2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520136
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
河西 栄二 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (60302402)
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Keywords | 日本のかたち / 木彫 / 彫刻 / 橋本平八 / 内藤堯雄 / 桜井祐一 / 新海竹蔵 / 円空・木喰 |
Research Abstract |
研究初年度として、近世、近代の日本彫刻における西洋の彫刻感の流入の状況と日本独自のかたちの展開についての資料収集や分析を進めた。また、「日本のかたち」の定義付けのための文献調査や検討を行った。 各作家の調査研究については、主に橋本平八を中心に木彫作品の実見による調査や資料収集を行い研究を進めた。5月には東京芸術大学美術館所蔵の橋本平八の木彫作品15点のポジフィルムを借用し、資料として収集した。 さらに9月には貴重書である「橋本平八作品集」(昭和12年 日本美術院)を国会図書館にて実見し、その全複写を入手した。また、8月からは、三重県立美術館、及び世田谷美術館において、「橋本平八と北園克衛展」が開催された。展覧会場に複数回訪れ、現存するほとんどの橋本平八作品の実見調査を詳細に行うことができた。熟見とスケッチによる研究を進め、「少年裸像」のナタ跡が常に水平に入っていること発見するなど、多数の収穫を得た。 また橋本平八研究の第一人者である三重県立美術館副館長、毛利伊知郎氏による作品解説の機会を得たことや、伊勢市朝熊にある生家やアトリエ跡を見学し、実の娘さんより当時のアトリエの様子や平八の話を聞くことができたことが特筆すべき成果として挙げられる。橋本平八の調査に関しては、作品の実見、遺族や研究者の話を聞く、資料収集、解像度の高いデータの入手など、1年間の間にまとまった調査を行うことができた。 桜井祐一に関しては、数少ない作品集や図録の収集を進めた。米沢市上杉博物館への問い合わせにおいて、平成26年には生誕mO周年を記念する作品展が開催されることを確認した。 他の新海竹蔵、内藤発雄、円空、木喰などの作家についても文献、資料収集を進めている。次年度以降に作品を実見する予定である。 さらに自身での木彫作品制作による研究も並行して進め、道具との関係によるかたちの変化や野外展示の効果などを確かめた。
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