2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520153
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
藤本 由香里 明治大学, 国際日本学部, 准教授 (50515939)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 日本マンガの翻訳流通 / 海賊版対策 / 出版流通 / 性表現規制 / BD/バンドデシネ / 学習マンガ / ローカルマンガ |
Research Abstract |
24年度はまず、7月にフランスのジャパン・エキスポを訪れ、現地出版社であるAtaka、トンカム、グレナ、KAZE&vizヨーロッパ、カステルマン各社を取材。KAZEはVizが買収した出版社で、アニメとマンガとの相乗作用を狙っていることが特徴。これまで現地の出版社が担ってきた翻訳市場に、日本資本が直接参入したことは波紋を呼んでいる。各社への取材では、流通のシステム・掛け率等の具体的な数字、フランスでの性表現規制の実例等について詳しく取材。また、最近「ワンピース」が好調なこと、BLジャンルの出版物が急増していることに気づき、その過程の聞き取りを行った。加えて谷口ジローのフランスでの高い位置づけと、彼が人気を得ていく過程について詳しく取材。問題として、フランスでは中国製海賊版グッズが氾濫していることが、会場でも街でも確認された。 8月末はタイを取材。事前にタトル・モリ・エージェンシーから情報提供と出版社の紹介を受け、90年代初めには100%だった海賊版マンガが現在わずか3%と、ほとんどが正規版に置き換わっていく過程を詳しく取材した。海賊版対策は「早さ」が勝負であり、『少年ジャンプ』を日本より10日早く出版したことが問題解決の鍵であった。また、海賊版時代には「表紙職人」と呼ばれる技術者がいたことを知り、これも具体的に取材。それと同時にローカルマンガの出版社2社を訪問し、「学習マンガ」がやはり大きな可能性を持っていることを確認するとともに、週刊のギャグマンガ誌がなんと100万部・75万部でているなど、今まで全く知られていなかった、タイの「下の市場」の予想外の強さを発見したのは大きな驚きだった。 10月末~11月初にはイタリアの「ルッカ・コミック&ゲームス」を訪れ、部数や流通等について出版社に取材するとともに、マンガ博物館等でイタリアのマンガの歴史について講義を受け、資料を購入した。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(9 results)