2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520156
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Research Institution | Showa University of Music |
Principal Investigator |
岸本 宏子 昭和音楽大学, 音楽学部, 教授 (10107336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
エリクソン ドナ 昭和音楽大学, 音楽学部, 教授 (80331586)
羽石 英里 昭和音楽大学, 音楽学部, 准教授 (70350684)
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Keywords | 音楽学 / vocology |
Research Abstract |
本研究は、音楽学を軸とした学際的研究の第一歩として、「歌う声の研究」を音声学研究者、声楽家・声楽指導者の協力の下に行い、「芸術と科学を結ぶ学際的研究分野」を創始・開拓することを目的としている。この目的を達成するために、音楽学<およびその応用分野である音楽療法>の研究者が科学的研究と芸術家の視点とを結ぶコーディネータの役割を担うことで、専門分野内外の障害を乗り越えて、日本における、音楽芸術をめぐる学際的な研究の可能性を探ることを目指す。その端緒として「ソプラノの歌声と演奏の特徴」というテーマが選ばれている。 平成22年度には、予定通りに被験者11名から音声データを、被験者2名からMRI撮像データを採取し、分析作業に入った。これにより、応用音楽学<音楽療法>と声楽を専門とする者は音響・音声学分野の思考法と研究手法を身につけつつあり、音響・音声学分野の研究者は音楽関係者の感性と求めるものを理解しつつある。また、歴史的音楽学的研究分野を専門とする調整役も統括者として機能し、3領域の協同がスムーズに行われている。 音声データおよびMRI撮像データの分析に当たり、芸術系メンバーと科学・工学系のメンバーとの間で、聴取実験データの評価方法やMRI映像の読み方についての検討・学習の期間を要したため、初年度に計画された聴取実験の一部を次年度に回すことになった。したがって、外部に発信された研究成果は、音声データの音響分析関係にとどまった(連携研究者の一人、音響分析担当の河原英紀教授による、あるいは河原英紀教授の指導による)。 しかしながらMRI撮像データからは咽頭部に興味深い現象が観察され、参加する3領域の研究者や研究協力者、そしてアドバイザが一致して、今後の研究成果に期待を寄せることになった。音声学分野のメンバーからは、大きな発見に結びつく可能性が示唆されている。平成23年度には、この現象をさらに追求するべく、新たな被験者を加え、明確化された目的に沿った内容で撮像が実施される。
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Research Products
(6 results)