2012 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀イギリス文学における詩人像の変遷とキャリア形成
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22520253
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
虹林 慶 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40315164)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ロマン派 / ブラウニング / テニソン / キャリア形成 / 子供 |
Research Abstract |
24年度の前半に前年度発表した論文、"Establishing Careers in the Imaginary: Misfortune, Madness and Posthumous Ambition of Romantic Poets"を「教育系・文系の九州地区国立大学間連携論文集」に投稿し、査読を受け掲載となった。査読付き論文として認められたことで研究成果の重要性は高まったと考えられる。 同じく24年度前半で、昨年度行ったテニスンのテキスト研究と分析をもとにして、The Princessに着目し、あまり取り上げられない「子供」のテーマを、ワーズワースとの影響関係などから読み解き、テニスンがどのような姿勢を持ってロマン派に対して自らの詩想を展開しようとしているかを考察した。このロマン派との対峙の中で、テニスンは自らの詩人としての自己(またキャリア)を確立しようとしていることを、物語のプロットや他の詩作品を扱いながら、英語論文("Representation of Childhood as the Persuasive Rhetoric in The Princess")としてまとめる作業を行い、24年度後半に学術誌に投稿した。現在はその査読結果待ちである。 これと並行して、前年度の第二の目標であった、ロバート・ブラウニングの作品の分析を以下の作品について行った。すなわち、Dramatic Lyrics (1842)、Dramatic Romances and Lyrics (1845)、Men and Women (1845)、Dramatis Personae (1864)である。現在、これらブラウニングの代表的作品群についての分析結果をまとめているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず、前年度発表の論文を新たに査読付きとして掲載できたことは評価できる。次に、昨年度の研究計画に書いた、テニスンについての研究結果を論文として完成し、投稿できたことが挙げられる。最後の理由として、同じく研究計画通りにブラウニングの作品群の多くについて分析を行うことができたことが挙げられる。後者については、必要書籍を科研費で揃えることで可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今までのところ、年度毎に研究計画通りに進んでいる。今後もこのペースで研究を行いたい。また、テニスンやブラウニング以外の詩人については、書籍の入手がスムースに行くかどうかを考慮する必要があると考える。
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Research Products
(1 results)