2012 Fiscal Year Annual Research Report
中世フランス写本テクスト学への電子データベースの応用
Project/Area Number |
22520334
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
瀬戸 直彦 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30206643)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 文献学 / 写本 / 電子テクスト / トルバドゥール / 抒情詩 |
Research Abstract |
本年度は,フランス中世(オック語)の抒情詩における写本テクスト学(複数の写本により伝えられるヴァリアントを本文校訂のさいにいかに扱うべきか,そしてそれが解釈にどう関わるのか)と,そのさいの電子データベースの応用について,マルカブリュのテクストを中心に考察する研究課題の最終年度にあたる。実績として,2012年6月にモンペリエ大学とベジエのCIRDOCで開催された第10回オック語オック文学研究国際学会において,マルカブリュの「椋鳥の歌」と呼ばれる2作品の文献学的なテクスト校訂をもとにした解釈につき研究発表をおこなったこと,そしてマルカブリュより少し後の12世紀末に詩作をおこなったフォルケ・ド・マルセイユという詩人の校訂につき,ストロンスキーによる従来の校訂における問題点と「イタリア学派」に属するスキラチョーティ氏による校訂の新しい方法論を確認できた。これは2013年3月に同志社大学における「ロマニスト研究会」で発表をおこなうことである程度まとめられたかと思う。 本研究において実現にいたらなかったことを2点あげておきたい。まず,リケッツ教授によるCOM3の出版がけっきょく期間中になされなかったために,散文によるオック語テクストの電子化されたものに接することができず,散文テクストの検討はかなわなかった。これは教授のお話によればイギリスでの助成金の不足により,人員が確保できず,計画が進捗しなかったことによるらしい。次に,ファビオ・ジネリ教授(フランス国立高等実習研究院)のセミナーを開催できなかったことである。これはカタロニアの VeAg写本についての国際共同研究集会を2013年6月に控えており,残念だが伸ばしていただきたいとの申し出でよるものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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