2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520336
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
福田 育弘 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (70238476)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神尾 達之 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60152849)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 文化 / 複合 / 社会的表象 / 集団的欲望 / 飲食 / つながり / 感性 / 身体 |
Research Abstract |
全体として複合文化学の方法論の枠組みが確立されたといえる。 わたしたちが当初掲げた研究の目的は、「複合文化学」の方法を構築し、その様々な手法を暗黙知ではない明示的な方法論の形にすること」であり、具体的には「文化現象への三つのアプローチ」、つまり「① 文化を構成する要素の複数性、② 文化を記録するメディアの多面性、③ 文化現象が生起する場の多元性」を想定し、さらに「文化現象の記述のフォーマット」について、「① 特定の文化現象の複数の視座からの考察」と「② 複数の文化現象の構造的類同性の考察」の必要性を確認することであった。 福田は、パリ・ソルボンヌ大学地理学科の研究者と緊密に連携し、飲食の分野の研究を主に受容という面から行い、飲食文化がつねに複数の要素とその変容によって構成されると同時に、文学作品やマンガなど複数のメディアによって記録され、さらに同じ飲食現象が複数の場所で、医療から文学表現にいたる多様な次元で展開されていることが確認された。こうして、文化地理学のほか、アナール派歴史学、ブルデュー社会学、文化人類学が、飲食をめぐる文化現象の解明と分析に有効であることが明らかになった。 神尾は、精神分析における集合的欲望という概念を軸に、それをさら社会はコミュニケーション行為のオートポイエイシス的展開によって成立しているというルーマンの社会システム論の視点を接合し、日本における身体表象およびインターラネットによる他者との「つながり」志向を分析した。これらの研究によって、幾つかの文化現象が同種の集団的欲望によって貫徹されていることが明らかになった。これらの研究によって、構造的類同性の概念と社会システム論の有効性が証明され、またそれらの概念的道具の洗練をもたらした。 上記の福田と神尾による具体的で日常的な文化現象の考察により、複合文化学の在り方やその方法論が明確になったと結論づけられる。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(8 results)