2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520366
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大池 真知子 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (90313395)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 外国文学 / アフリカ |
Research Abstract |
昨年度までに明らかになった内容と、前研究課題(「社会運動としての文学――アフリカのHIV/エイズと小説」18520269)で明らかになった内容を合わせ、中間的に著作に発表することとし、そのための研究のとりまとめを行った。著作は来年度の早期に世界思想社から「エイズの時代の文学」(仮題)として刊行予定である。 著作は三部からなり、一部は研究背景をまとめ、二部は草の根の女のライフストーリーについて、本研究課題で昨年度までに明らかになった内容をおもにまとめた。三部は小説について、前研究課題で明らかになった内容をおもにまとめた。 現在アフリカでは、HIV/エイズをめぐって、さまざまな位相で文学活動が行われている。HIV/エイズの啓発を目的として、HIV/エイズをテーマにした物語読本を授業で使用したり、文学コンテストや創作のワークショップが開かれたりしている。一方で、草の根の女たちのライフストーリーをまとめたり、作家が小説でHIV/エイズを扱ったりもする。このようなさまざまな取り組みの現状を分析することにより、現在アフリカでHIV/エイズをめぐってどのような文学活動が行われているか、そしてHIV/エイズの経験が物語として社会でどのように共有されているかが明らかになった。 一方で、当初本年度に予定していた現地調査を行わなかったため、メモリーブックの執筆状況についての考察は十分ではなく、草の根の文学と社会運動の関係はまだ不明な点がある。今後現地調査をして明らかにしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、本年度に海外で現地調査を行う予定だったが、昨年度までに明らかになった内容と、前研究課題(「社会運動としての文学――アフリカのHIV/エイズと小説」18520269)で明らかになった内容を合わせ、中間的に著作に発表するように変更した。そのため今年度は現地調査を行わず、研究の中間的なまとめを行った。著作は来年度の早期に刊行する予定である。 中間的なまとめという形ではあるが、前研究課題と合わせての成果を著作にまとめつつあるのは、大きな達成である。その一方で、本年度調査するつもりであった内容、すなわち、草の根の母が書く「メモリーブック」の執筆状況と社会運動との関係は、十分に明らかにできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
中間的な成果報告として、著作を来年度早期に刊行する。 草の根の母が書く「メモリーブック」と社会運動との関係は、本年度に現地調査で明らかにする予定であったが、それができなかったため、来年度に現地調査を行う。また、著作にたいする他の研究者からのフィードバックも、現地調査に生かしたいと考えている。
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Research Products
(1 results)