2012 Fiscal Year Annual Research Report
先住民族とは誰か――グローバル化世界における先住民族と日本人の比較文学的再考
Project/Area Number |
22520375
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
中村 和恵 明治大学, 法学部, 教授 (00268476)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 異文化理解 / 国際研究者協力(エストニア) / 国際情報交換(オーストラリア) / 日本研究 / 比較文化学 / 先住民族 |
Research Abstract |
先住民族という視点から日本人のポジションを再考する際に日本国内の先住民族側からの視線が必要なのは当然であり、今年度の調査旅行でアイヌ文化の継承・振興に尽力する人々や北方民族研究・現代アイヌ文化の研究者と交流がかなったことは非常に意義深かった。これまでの国外における先住諸民族の歴史文化と現在におけるそのありかたの調査研究、すなわちオーストラリアやカリブ海等、さらに今年度加えることができたヨーロッパ北方の民族(先住民族と自他ともに認める人々と同民族であると自認するエストニア人)からの視線、これらを日本国内からの視点と並べ合わせて考察することで、これまでにない観点から先住民族と日本人の関係を相対化することが可能となった。具体的内容は以下の通り。 1.国内調査旅行(アイヌ民族を中心に日本の北方先住民族に関する先行研究の参照と新しい研究動向の調査、アイヌ文化継承者や若い世代の新しい文化的表現者たちへのインタヴュー)とその成果の紹介。 2.国外研究交流(エストニア・タルトゥ大学における日本語・日本文化教育関係者との研究発表・意見交換)での「小国」「少数話者の言語」「対西ヨーロッパ意識」「先住民族観」の比較考察。 3.これまでの研究成果のとりまとめ。1)先住民族という立場から日本人の民族意識を再考する視点を提案する研究発表(口頭)、2)ジーン・リースのカリブ族と日本人を描いた短篇作品についての学会発表、3)2)を拡充するために前提となるリースの創作方法および中心主題についての論文2本の発表、3)現代アボリジニ文化に関する研究のとりまとめ作業と先住民族芸術家の知的財産に関する判断についての調査、4)同時代人としての先住民族の現在とかれらの知的財産や文化遺産に関する考え方についての新聞・雑誌記事の発表、5)当該研究課題で得られた知見を紹介する一般書『日本語に生まれて』の出版に向け草稿作成。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)