2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520394
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
呉人 惠 富山大学, 人文学部, 教授 (90223106)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | コリャーク語 / チュクチ・カムチャツカ語族 / 属性叙述 / 形容詞 / 動作名詞 / 動作主・被動作主名詞 / 名詞修飾 |
Research Abstract |
本研究は、シベリア北東部に分布するコリャーク語(チュクチ・カムチャツカ語族)を対象に、一般に品詞としての認定が最も難しいとされる形容詞を取り上げ、これを名詞と動詞の連続相の中で捉えることを目的に進めてきた。これは現在,執筆を進めている『コリャーク語文法』の記述のために必要不可欠な研究のひとつである。本研究により,①従来「質形容詞」といわれてきた形式(N形)は,いわゆる「属性叙述」形式であり,「事象叙述」形式(KU形)と対立すること,②N形は形態的・統語的に名詞に近く,KU形式は動詞的であること,③同系のチュクチ・カムチャツカ語族の諸言語において「属性叙述」形式と「事象叙述」形式は異なる顕現の仕方を示すが,それは,動詞の屈折体系の特質によるものであること,などを明らかにした。また,その成果を日本語のような異系の言語とも比較した。 今年度は本研究の最終年度として,これまでの研究を総括した。その成果は,現在,Handbooks of Japanese Language and Linguistics Series(Mouton) に寄稿中である。さらに,他動詞から属性叙述形式が派生される際の特質として逆受動構文による自動詞化が観察されることが明らかになったため,自動詞と他動詞の形態的対応関係についての調査も進め,類型論的位置づけを試みた。また,属性叙述形式以外に品詞間の境界部分に位置づけられる諸形式にも注目し分析を進めた。具体的には,品詞の連続性という視点から、名詞化の問題に焦点をあて,N形同様,形態的・統語的に名詞との類似性を示しながらも,名詞修飾機能や動詞性を帯びたいくつかの形式(動作名詞と動作主・被動作主名詞)を取り上げ,分析をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)