2012 Fiscal Year Annual Research Report
ポルトガル北東部のミランダ語を中心とするアストゥリア・レオン語の言語変異の研究
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22520424
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
黒沢 直俊 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (80195586)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 少数言語 / ロマンス諸語 / 言語接触 |
Research Abstract |
(具体的内容) 1、前年度までに収集した資料を整理し、中世ポルトガル語研究との関連での現段階でのアストゥリアス・レオン語に関する研究状況を包括的に把握することが出来た.2、特に、前置詞との関連でアストゥリアス語と他のロマンス諸語の比較研究を行い日本ロマンス語学会で発表した。3、今回はポルトガルへの出張は行なわなかったが、ポルトガルの研究者とは恒常的に密に連絡を取っており、研究協力を継続した。4、資料や研究史の整理をおこなった。過去に研究代表者がポルトガルのミランダ・ド・ドーロ地域で直接現地で録音した音声資料についての整理を継続している。 (意義と重要性) アストゥリアス語の運用能力をさらに相当程度高めることが出来ただけでなく、言語状況や研究状況についてより専門的な概観を得ることが出来た。日本ではこの分野の本格的研究者はほとんどいないので、現地での直接調査を継続していることの意義は大きい。また、アストゥリアス語とガリシア語の中間的様相を示すガリシア・アストゥリアス語についても継続してかなりの情報や資料を入手している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去3年間の研究期間において,研究対象のアストゥリアス・レオン語の言語状況や研究状況に関して新たな情報や知見を相当程度得ることが出来、以前とは全くちがったレベルで具体的素材を分析出来る状況である。この間、以前には接触のなかった多くの研究者や言語関係者ともネットワークを構成することが出来ているので,今後2年間で調査を継続し分析等を進めることで,当初の目的であるミランダ語とアストゥリアス語の言語変異について十分な成果が得られるものと判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り,これまで蓄積したデータや新たに把握している先行研究の分析を継続するとともに、ポルトガルやアストゥリアス地域での調査を継続することを中心とする。
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