2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22520426
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
塩原 朝子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (30313274)
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Keywords | インドネシア諸語 / 形態論 / 統語論 / 態 / アプリカティブ / インドネシア語 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度同様、スンディック諸語の態についての研究を進めた。昨年度同様、特に以下の接辞に注目した。 ・Actor Vbiceを標示する鼻音接頭辞(Proto Malayic(Adelaar(1986,1992))の^*mAN-) ・Undergoer Voiceを標示する人称接辞および受動接辞 ・「中動」的な内容を表す動詞を派生する接辞(Proto Malayicの^*mbAr-) ・アプリカティブの接尾辞(Proto Malayicの「増項」要素^*akAnと「所格」接辞^*-i) 昨年度計画していたが調査が完了しなかったガヨ語、アチェ語、バタク語、スンダ語に関して、先行研究から態に関する接辞の機能に関する部分を引用し、一覧表にした。スンダ語については、コンサルタント調査も行った。 また、昨年度に引き続き、バリ語についての研究を行った。バリ語に関しては既に昨年度までに態の概略は明らかになっていたが、今年度は過去にオランダなどから出版されているテキスト集も利用し、ディスコースにおける態の機能について明らかにした。バリ語の調査に関しては、東京外国語大学外国人研究員Ketut Artawa氏と共同で行った。 さらに、インドネシア語のアプリカティブに関して、コンサルタント調査および文献調査を行い、データの共時的分析の結果を論文Applicatives in Standard Indonesianとしてまとめた。この論文ではインドネシア語のアプリカティブの接辞-iと-kanの機能について、インドネシア語に関する先行研究、およびアプリカティブの通言語的研究をまとめる形で概観し、それぞれの機能を統一的に説明した。ここでの記述は、本研究の目的である言語間の比較研究のベースとなる、各言語の現在のアプリカティブの機能の記述の基準となるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度まで、本研究全体で扱う予定の言語のうち、半数程度について態のシステムの概略が把握できている。また、いくつかの言語についてはディスコースにおける機能なども明らかになっており、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度まで調査を行っていない言語(ササク語)などの調査を継続する。また、既にデータのある言語(バリ語、スンダ語)などに関しても、さらにテキストなどを調べ、ディスコースにおける調査を継続する。また、本年度からは集められたデータを材料に、態のシステムの祖形についても考察を開始する。
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[Presentation] Plural infix -ar- in Sundanese2011
Author(s)
Asako Shiohara, Furihata Masashi
Organizer
The Third International Symposium On The Languages Of Java (Isloj3)
Place of Presentation
State Islamic University of Malang
Year and Date
2011-06-23
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