2012 Fiscal Year Annual Research Report
教室談話における生活語レジスターによる発話の教育的有用性の社会言語学的研究
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22520448
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
達富 洋二 佛教大学, 教育学部, 准教授 (40367983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 卓郎 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (80182278)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 教室談話 / 授業コミュニケーション力 / 発話スタイル / 社会言語学的アプローチ / 教師の聞く力 / 生活語レジスター / 発話スタイル |
Research Abstract |
【研究の成果の具体的内容】平成24年度は,文献による基礎的研究と,これまでの研究に加え,「教室談話編集力を向上させるストラテジー」についての実証的研究を進め,研究の総括を行った。具体的な内容としては,教室談話編集力を向上させるストラテジーを明らかにするために,教師は生活語レジスターによる発話をどのような談話編集力(教師の聞くことにかかわるストラテジー)をもてば教育的な効果を創造できるのかについて,作成した資料をもとにして詳細な考察を図った。 【意義・重要性】その結果,教室談話において,生活語レジスターへの切り替えは次のような指標機能をもっていることが明らかになった。 ①公式な発話と非公式な発話の切り替えの指標,②集団への発話と個人への発話の切り替えの指標,③アドレス性の切り替えの指標,④主張とその理由の切り替えの指標 教室談話の編集を行うにあたって,教師は,レジスターの切り替えがこれらの指標になっていることを理解して教室談話を聞き,それを手がかりにすることで,切り替わった発話以降の談話を創造的なものへと展開していくことが可能になると考えられる。このことは,これからの教師教育の課題である「教師の授業コミュニケーション力」の取得と習熟に向けての具体的なストラテジーとなると考えられ,重要な示唆になると考えられる。 教師は,自身の授業コミュニケーション力(聞くことを通した教室談話編集力)の習得を待って教室談話を行うのではなく,今まさに展開している現実の教室談話の中において,自身の授業コミュニケーション力の習得と習熟を図っていくことが必要である。そのためにも,ここで明らかにした生活語レジスターへの切り替えに見られる指標的な機能を聞き分けることは,その後の教室談話の参加者への関与に有用であり,大きな意義があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)