2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520461
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
新田 哲夫 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (90172725)
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Keywords | 安島方言 / 重子音 / 宮古八重山方言 / 風位語彙 / アクセント |
Research Abstract |
平成22年度は、次の3つの研究を行った。(1)福井県坂井市三国町安島方言の音韻調査の確認作業、(2)安島方言の風位語彙の調査、(3)安島周辺部のアクセント調査である。 (1)安島でこれまでの収集した重子音に関するデータの確認作業を行い、標準語との対応関係を明らかにし、成立プロセスを推定した。また、琉球語宮古八重山方言との対照を行い、類似性を指摘した。また、安島方言の変化プロセスは、南琉球語の重子音、北琉球語の喉頭化音の成立に示唆を与えることを明らかにした。これらのことを日本音声学会学会誌『音声研究』(査読有り)に投稿し、2011年4月号の掲載が決定した。 (2)風位語彙に関する調査を行い、風位と方位、「風の移ろい」、風位語彙衰退の原因などを明らかにした。この成果は、平成23年度日本方言研究会第92回研究発表会(神戸大)で発表予定。 (3)安島周辺部の福井市蒲生(旧越廼村)と越前町小樟のアクセント調査を行った。これらの方言は、これまで報告では、N型アクセントである可能性があったが、そうではなく、短い単語においてはN型アクセント的な特徴が現れるが、長い単語や動詞活用においては多型アクセント的特徴を見せることを明らかにした。
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