2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520483
|
Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
飛田 良文 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 名誉所員(独立行政法人国立国語研究所) (40000418)
|
Keywords | 語彙 / 意味 / 外来語 / 語構成 / 日本語学 |
Research Abstract |
明治から昭和にかけて書かれた文学作品100点の中から、使用されている外来語を採集し、文学作品の中で外来語がどのように使われ、現在に至るかを考察する。 全作品100点に対する確認を終了したが、そのために予想以上の時間を要した。そのため予定作業のうち、原語、語構成、意味分野の情報の記入作業が未完成となった。 新規対象作品60点は短篇を含み、以下の通り。 1あ・うん 2あゝ、玉杯に花うけて 3あらくれ 4留女 5わが失敗 6機械 7或る男 8蟹工船 9一九二八・三・十五 10怪盗ジバコ 11海に生くる人々 12海軍 13海底軍艦 14駈ある記 15故旧忘れ得べき 16坑夫 17恨なき殺人 18死の器 19娼婦三代 20上海帰りのリル 21待つ 22辻占の宿 23エストリールの夏 24チチキトク 25樹 26春 27春雨文庫 28沼 29城のある町にて 30情海波瀾 31肉体の門 32伸子 33新篇路傍の石 34世路日記 35生れ出る悩み 36石にひしがれた雑草 37善心悪心 38将棋 39太陽のない町 40退屈な少年 41泥人形 42点と線 43伝書鳩 44廃市 45淺草紅團 46薄命のすゞ子 47箱男 48不如帰 49浮城物語 50浮世見物 51風花 52魔風恋風 53野菊の墓5 4羊をめぐる冒険 55晩年 56六歌仙 57腕くらべ 58僥倖 59蝸牛庵鬼語 60発展 60点の作品から注目される現象には次の二点がある。一つの原語が用途に従い、表記が別れたことを示す例(ストライキとストライク)、名詞の動詞化で現在一般的に使用されない例(ハイカラ→ハイカる)等。これらを踏まえ、今後の研究に繋げる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
採集作業と入力作業に予想以上の時間を取った。特に旧漢字~旧仮名遣い(促音表記大小の違いなど)の入力に時間を要した。また、明治初期の原本を読解するに当たっては、表記の煩雑性に苦労した。なお、本研究は初年度の開始時期が予定よりも半年遅れたため、全体の進行が遅れていることは、認めざるを得ない
|
Strategy for Future Research Activity |
調査対象全100作品の全用例の確認を継続し、集計表を作成し、協力者に原語、語構成、意味分類の調査を依頼する。そのため、見出し一覧、用例集を作成する。その結果を踏まえて分析し、論文を執筆する。 1.原語の変遷 2.語構成の変遷 3.意味分野の変遷 必要に応じて、外国語辞典、分類語彙表(シソーラス)等を購入する。 全用例データは用例集としてまとめ、印刷する。
|
Research Products
(3 results)