2011 Fiscal Year Annual Research Report
日英語と移動表現の類型論:直示性に注目した通言語的実験研究
Project/Area Number |
22520498
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松本 曜 神戸大学, 大学院・人文学研究科, 教授 (40245303)
|
Keywords | 移動動詞 / 類型論 / 日英比較 / 直示性 / 経路 |
Research Abstract |
本研究の目的は、人や物が移動する現象を描写する移動表現において、言語間で見られる興味深い類型的な違いに関して、今まであまり注員されていなかった経路の直示性の表現(come,goなど)を考察することにより、新しい類型の全体像を示すこと、また、その検証のために、ビデオ映像を用いた発話実験を行ない、特に日英語の共通点と差異を実験的に示すことである。 2年目である平成23年の研究活動として、まず、昨年度に得られた予備実験の結果を学会で発表したことが挙げられる。主要な点は、日本語と英語の両方において、直示動詞がインターアクション性を持つ、ということである。つまり、話者への呼びかけなどのインターアクションを伴っている場合は直示動詞が使われやすいと言うことである。この性質について、日本英語学会と、フランス認知言語学会の大会で発表した。参加者から有意義なフィードバックを受けることが出来た。また、関連する理論的考察に関して、中国で行われた国際認知言語学会の大会において発表した。 また、日英語における、直示性と様態、経路の競合の状況を調べるため、本実験用のビデオ映像を用いた実験プログラムを作成した。さらに、その実験を、イギリスのOxford大学と、アメリカワシントン州で行い、英語に関する13名のデータを得た。日本語のデータと有意義な比較を行うための分析方法を検討し、データの分析に入った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度と24年度に本実験を日本(日本語)とアメリカ(英語)で行うとしていたが、実施に困難が予想された英語実験を、アメリカ及びイギリスで行うことが出来た。また研究成果の発表も進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度には本実験を日本語において行い、英語との比較検討を始める予定である。
|