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2010 Fiscal Year Annual Research Report

脱焦点化現象についての比較統語論研究

Research Project

Project/Area Number 22520501
Research InstitutionYamaguchi University

Principal Investigator

赤羽 仁志  山口大学, 人文学部, 准教授 (60320107)

Keywords脱焦点化 / 目的語省略 / かき混ぜ / 総称解釈 / フェイズ理論
Research Abstract

本研究は、言語によって異なる脱焦点化の現象を比較しながら、共通して関与すると思われる統語的メカニズムを極小主義プログラムの枠組みにより解明することを目的とする。平成22年度は、英語とイタリア語、更には日本語等における総称解釈の目的語の省略現象について考察を行った。総称解釈の目的語はいわゆる情報焦点とならず、究極的には脱焦点化の一様式である省略が起こる。同現象は言語により許容度が異なり、イタリア語では許容度が高く英語では低い(Rizzi(1986))。が、英語でも当該の目的語省略が全く不可能という訳ではない。そこで、英語で許容され難いという事実は何によるのか、以下のような説明を与えることができた。まず、イタリア語で観察され英語で観察されない別の脱焦点化の現象として、目的語の短距離かき混ぜに注目した。この現象は、CP主要部に素性値付与されることにより脱焦点化がなされるべく、vP極辺へ目的語等の移動が起こっていると見做せる。素性値付与による脱焦点化と同時に、vP極辺に移動した目的語に時制節のCP主要部が随意に空格を付与し、また、空格が目的語の具現を免除すると仮定してみると、脱焦点化された総称解釈の目的語は随意に省略されることになる。また、随意的な空格付与はパラメタ化されており、英語ではこのパラメタの設定がされていないとする。その結果、目的語がvP極辺に移動した場合そこで具現することになるが、これは英語では許されず、コストの高い音韻的削除が最終手段として適用される必要が生ずる。このことから、英語では総称解釈の目的語の省略が許容され難いことになるのである。更に、フェイズ理論を用いたこの分析から、生成文法研究の中で仮定されてきた主な空範疇の扱いについて理論的に興味深い示唆が得られた。以上の内容は、論文として平成22年12月、山口大学の学内紀要『英語と英米文学』45巻に刊行された。

  • Research Products

    (1 results)

All 2010

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] A Phase-Theoretic Analysis of Object Omission2010

    • Author(s)
      赤羽仁志
    • Journal Title

      山口大学『英語と英米文学』

      Volume: 45 Pages: 1-37

URL: 

Published: 2012-07-19  

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