2011 Fiscal Year Annual Research Report
多地点を結ぶ遠隔ビデオ会議サーバシステムを用いた異文化会議の文化的要因研究
Project/Area Number |
22520526
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
三浦 香苗 金沢大学, 留学生センター, 教授 (50239175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 亨 金沢大学, 留学生センター, 教授 (40303317)
深川 美帆 金沢大学, 留学生センター, 特任准教授 (00583171)
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Keywords | 遠隔教育 / ビデオ会議 / 異文化 / ディスカッション / 多地点会議 / サーバシステム |
Research Abstract |
本年度は,海外協定校学生と本学日本人学生との間の異文化ビデオ会議を、画像・音声の点で有効でないものも含めて計10回実施した。そのデータを整理し、一部のデータについて分析し、その成果の一部を学会等で発表した。 データの質を揃えるため、ディスカッションの大トピックを毎回同じものとした。参加者は均質な者を揃える必要があり、またディスカッション慣れによる弊害を防ぐ目的で、各回新たな参加者を求め、1地点につき4名とした。1地点対1地点の会議は、本学-タイ、本学-トルコ、本学-オーストラリア、本学1-本学2の組み合わせである。多地点会議は、本学-タイ-トルコ、及び本学1-本学2-本学2で行った。このうち、インターネット接続、映像、音声などの点で今回の研究用データとして有効であるものを分析対象とした。 これまでに以下のことが明らかになった。まず、ディスカッションのトピックの種類を4つに分類した。1)ある文化固有のもの、2)どの社会にも存在するが各々事情が異なるもの、3)個人の観念・感覚的なもの、4)世界的・時事問題的なもの、である。そのうち、異文化ディスカッションを活発にするものは2であること、及び、2のトピックの中にも様々な違いがあることが判明した。次に、ディスカッションの進め方と参加者の関わり方が重要である。参加者がそのトピックに積極的に取り組むための仕掛けとしての事前課題等の出し方、会議の進め方への教師の指示の度合い等について考察した。異文化という点では、話す相手国によって、サブトピックの出現の仕方や深まり方が違う。技術面では、ビデオ会議中の画質や音質が不安定なときがあったが、その原因と対処方法を現在探っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分析対象として有効なビデオ会議データを年度内に収集することができ、分析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)収集したデータを用いて分析と考察を進める。 まず、1地点対1地点と、多地点のビデオ会議の違いを抽出し、次いで異文化という要因がビデオ会議にどう影響するかを明らかにする。分析の観点は、会議の大トピックとサブトピック、会議の流れ、異文化という要素、学生の日本語力、司会者の働きなどである。学生からのコメントと教師側の観察記録も分析の対象とする。技術面では、ビデオ会議中の画質や音質が不安定なときがあったが、その原因を探るとともに、可能な対処方法を提案し、どのような設備,人的・物理的環境が必要であり,どのような問題があるかを述べる。 2)成果をまとめ、有効なビデオ会議システムを用いた異文化交流ディスカッション活動の方法論を提示する。
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Research Products
(2 results)