2011 Fiscal Year Annual Research Report
国際日本語学習者コーパスに基づくコロケーション知識に関する基礎的研究
Project/Area Number |
22520543
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
望月 通子 関西大学, 外国語学部, 教授 (20219976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪上 辰也 広島大学, 外国語教育研究センター, 特任講師 (60512621)
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Keywords | 学習者コーパス / 参照コーパス / 作文 / コロケーション / 的 / 外来語 / 教材開発 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)JSLおよびJFL日本語学習者の作文およびその参照コーパスとして日本語母語話者の作文を収集し、「国際日本語作文コーパス(仮称)」を構築し、公開すること、(2)同コーパスに基づいて日本語母語話者と日本語学習者間、JSL日本語学習者とJFL日本語学習者間、L1が異なる日本語学習者間の語彙・文法項目・コロケーションのCIA分析を行い、それぞれの言語使用の傾向を明らかにすること、(3)同結果を踏まえて、指導上の提言やweb教材開発を行う、(4)作文時に作文過程のリアルタイム記録システムを利用し、定量的言語分析に加えて認知的側面から学習者の言語産出過程を明らかにすることである。 (1)については、作文テーマを増やし、JSLとJFLの上級レベルの作文、大学生と社会人の母語話者の作文を補充することができた。 (2)については、コーパスの一部のサブコーパスを使って、「的」「外来語」「コロケーション」の分析を進めることができた。 (3)については、研究代表者が編著者である『アカデミック・ジャパニーズへのステップ1 語彙・文法の整理と演習』『同2』(平成22年関西大学出版部)、『日英対訳で学ぶ留学生のためのカタカナ語1-コロケーションと合成語を究める』(平成23年関西大学出版部)に基づき、授業の一部で学内のe-learningシステムを使った学習とそのフィードバックを行っている。 (4)についてはリアルタイム記録システムの開発の試みが続いている。 (1)と(2)の研究成果については、H24年8月に予定されている国際日本語教育研究大会において、研究代表者と分担者により共同発表を行うことになっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コーパスの構築については、作文テーマを増やし、JSLとJFLの上級レベルの作文、大学生と社会人の母語話者の作文を補充することができた。同コーパスに基づく分析については、コーパスの一部のサブコーパスを使い、「的」「外来語」「コロケーション」の分析を進めることができた。教材開発については、研究代表者が編著者である『アカデミック・ジャパニーズへのステップ1 語彙・文法の整理と演習』『同2』(平成22年関西大学出版部)、『日英対訳で学ぶ留学生のためのカタカナ語1-コロケーションと合成語を究める』(平成23年関西大学出版部)に基づき、授業中に学内のe-learningシステムを使った学習のフィードバックを行っている。リアルタイム記録システムの開発については試みが続いている。
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Strategy for Future Research Activity |
描写文のデータ収集についてはすでに変更し、論述文(10テーマ)と叙述文(10テーマ)の作文を収集したが、最終年度はできるだけ早い時期にサブコーパスの公開を行う予定である。学習者作文にはフィードバックおよびエラータグを付けるべく作業が進んでいるが、後者は部分的付与になる可能性がある。コーパスのCIA分析を行い、レベル別、母語別の傾向を明らかにし、これらの結果を踏まえた教材開発を目指しているが、教材の有効性の検証まではいかない可能性がある。平成24年2月には研究成果報告会を開催する予定である。
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Research Products
(2 results)