2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本人学習者を対象としたベトナム語検定試験制定のための基礎的研究
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22520562
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 政明 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (10314262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿木 重宜 滋賀短期大学, ビジネスコミュニケーション学科, 教授 (00321050)
冨田 健次 大阪大学, 世界言語研究センター, 教授 (60116142)
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Keywords | 教育評価 / 測定 / ベトナム語 / 検定試験 / 到達目標 |
Research Abstract |
初年度の作業を基礎に、各レベルに相応しい語彙集、文法事項、機能別学習事項の選定を行った。モデルとしては、『日本語能力試験出題基準』(国際交流基金・日本国際教育協会)のような形を想定している。但し、ベトナム国内で開発された教材を基礎に作成された語彙集は、欧米の学習者を想定したシラバス構成となっている場合が一般的であり、漢字文化圏に属する中国語、韓国・朝鮮語、日本語を第一言語とする学習者にとっての漢語の問題等は加味されていない場合が通常である。したがって、本年度はベトナム語と日本語に共通する漢語に注目し、そのレベルをベトナム本国における設定よりも場合によっては低く設定する等の工夫を施し、日本人学習者に相応しい難易度の設定を試みた。 文法事項に関しては、ある程度既存の教科書の枠組みを踏襲しつつ、レベル別シラバスの作成に着手した。機能別学習事項に関しては、基本的に広義の文法事項の一部と考えても差し支えないが、ビジネス等特定の学習目的を考える際に、特段の意味を有することとなるので、待遇表現に関わる内容等に関しては、Cレベルにおいてビジネス等で出くわす場面を想定した学習項目を設定した。 教育・訓練省の定める到達目標に記された「知識面」に関する内容を本検定試験のシラバスに盛り込むかどうかについて関係機関と議論した。ここでは特に言語のスタイルの差異を重視し、漢語を多く含む論説文よりも純粋ベトナム語を多く含む文学作品の理解をより高レベルに設定する等、日本人学習者にとっての難易度という観点から工夫を施すよう努めた。 以上の作業を行う上で、ベトナム語教育を行う大学等各種教育機関との連携を鑑み、連携研究者の所属する各大学におけるシラバス等に関する意見交換を行った。同時に、ベトナム教育訓練省関係者との情報交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
個々の作業(語彙選定、文法事項選定、機能別学習項目の選定)の進度にむらはあるものの、全体として必要な作業はおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までの成果を基礎に、レベル別リストを完成させ、具体的な試験の形式について検討する。可能な範囲内で試験的にモデル試験を実行したいが、難しい場合には研究代表者の所属機関内でベトナム語学習者を対象に行うこととなる。
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Research Products
(5 results)