2010 Fiscal Year Annual Research Report
アルメニア語のe-ラーニング教材の開発と電子版学習辞典の編纂
Project/Area Number |
22520563
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岸田 泰浩 大阪大学, 日本語日本文化教育センター, 准教授 (40273742)
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Keywords | アルメニア語 / e-ラーニング / 電子辞典 / コーカサス / evidentiality |
Research Abstract |
本研究は、アルメニア語のe-ラーニング教材の開発及び電子版辞典の編纂を課題としている。Unicodeの普及に伴い、コンピュータ上で多様な文字種の処理が容易になったにも関わらず、独自の文字を有するアルメニア語の学習においては、そのリソースを十分活用するに至っていない。本研究でアルメニア語という「小言語」を扱う意義としては、マイナーな非ラテン系文字を持つ言語のインターネット教材を開発する際に直面する問題点を指摘し、その改善策を提案するとともに特殊文字言語の教材開発に対し一つの新たな道を示すことができる点が挙げられる。本年度は、教材作成のための準備的作業として、データ収集とその整理を中心に実施した。現代のアルメニア語には、東と西の2つの標準文語が存在する。東アルメニア語は、アルメニア共和国の公用語であるが、国外で使用されている西アルメニア語よりもその学習環境が限られている。従って、まずは東アルメニア語の教材開発を目指した。具体的には、学習書や辞書などの原語資料の収集に努めた。そして、西アルメニア語との共通文法の確立も視野に入れながら、学習対象となる文法項目をデータベース化し、項目の提示順等を調査しながら、記述内容や文法用語の統一可能性について考察をおこなった。特に動詞活用については、その名称が書籍によって異なっており、また、その意味機能の記述が不明瞭ないし不十分なものが存在することも明らかとなり、学習者の適切な理解を促すには十分とは言い難い。動詞は文法の要であり、その整理は重要である。中級レベル以上の学習者の使用に応える文法記述のためにも、個々の活用形式の機能を明確にする必要がある。今年度は、その一環として明証性(evidentiality)について考察を行い、口頭発表した。また、電子辞典に関しては、単語集レベルの入力を開始した。
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Research Products
(1 results)