2010 Fiscal Year Annual Research Report
作動記憶効率化訓練と英語口頭運用能力との関連:自動採点型テストへの示唆
Project/Area Number |
22520571
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
金子 恵美子 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (30533624)
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Keywords | スピーキング指導 / スピーキングテスト / シャドウウイング / 音読 |
Research Abstract |
平成22年度は、研究初年度であるため、パイロットを実施し研究手法確立を主な目的とした。後期に、27名のコンピュータ理工学専攻の1年生に対し、作動記憶効率化訓練を英語の授業の冒頭20分間に実施した(全11回)。具体的には、VOA Special Englishというインターネットで入手可能な、英語学習者のための英語教材の音声を利用し、シャドウイングとOral Dictationを実施した。これらの訓練の意義や、期待される効果などは、事前に学生に日本語で説明した。 作動記憶効率化訓練の自発発話に対する効果を測るため、英語のsemi-direct speaking testをpre-test,post-testの2回行った(pre-test実施時期:2010年10月、post-test実施時期2011年1月)。授業中にテストを実施したが、本テストで録音された音声は、研究で利用される(ただし個人情報は一切使用せず、どの個人の発話かは特定されない)ことを説明し、学生は同意した。テストは全5問で、スクリーンに英語の設問が映し出され、その設問に対し45秒以内に英語で回答する。録音は、本学のコンピュータ・ラボで実施し、iMacでAudacityという音声ソフトを利用して行った。録音された音声は、書き起こされ、複雑さ、流暢さ、正確さを数値化するためにタグを付与した。書き起こし、タグ付は4名の経験者が行ったが、1名の発話に対し、常に2名以上が確認し、書き起こし、タグ付に関し判断が一致しない場合は、本研究者が再度確認、必要に応じて議論(メールにて)ののち、訂正し、正確さを期した。タグ付に加え、speech rateを測るため、Praatという音声分析ソフトを利用し、本学の音声学ラボに属す学生が分析のためのデータ準備を行った。pre-test,post-testでの複雑さ、流暢さ、正確さの変化を分析した。 結果は、発話量が増え、一つ一つの文章も長くなった。また構文的複雑さも増した。流暢さに関しては、言い直しの回数は減ったものの、繰り返しや、つなぎ言葉の数に変化は見られず、その一方で、沈黙する回数、時間が増加した。正確さに変化は見られなかった。
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