2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520596
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
西谷 敦子 京都産業大学, 外国語学部, 准教授 (50367942)
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Keywords | 英文法 / ラッシュ分析 / 項目難易度 / 教科書 / Processability Theory |
Research Abstract |
23年度は、22年度に検証した文法38項目の難易度とProcessability Theoryの関連に重点を置いて検証した。38項目の中にはProcessability Theoryで取り上げられている項目が少なかったため、さらに問題を追加し大学生に解いてもらった。またこの理論は、筆記テストによる難易度ではなく、自然な会話の中で現れる文法項目の順位を説明するものであるため、スピーキングテストも実施し、筆記テストと共に難易度の差を比較した。このスピーキングテストは、筆記テストで使用した文章を用いて、そのまま文法的に正しい文章と、文法的に誤りがある文章を聞かせ、リピートさせるというものであり、Ellis(2006,2008)やErlam(2006)が実施し、自然なスピーチデータと変わらないと主張している方法である。 結果、Processability Theoryはどちらのテストとも統計的に関連性を示さないごとが分かった。これはEllis(2008)とは異なる結果である。また、筆記テストとスピーキングテストの関連性を見たところ、文法的に誤りがある文章をリピートさせた時の(自動的に誤りを訂正して発話するかどうか)結果と筆記テストの結果が統計的に関連があることが分かった。これを、両テストをexplicit knowledgeを使って答えたと見るか、implicit knowledgeを使って答えたと見るか、さらなる研究が必要である。 また、中学・高校で使用されている教科書(ともに採択率がトップ3に入るもの)に現れる文法項目の順番と上記38項目の難易度順とを比較したところ、統計的な関連性は見られなかった。さらに「副詞」など、以前は当然のように教科書で説明されていたものが取り上げられていないことも分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、Processabihty Theoryとの比較も実施し、また中学・高校の教科書との比較も行なった。38項目の文法の難易度において、同じ項目でも難易度が大きく分かれたものについての検証はまだ途中である。 全体としては、おおむね順調と言えるだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
教師の立場から見ると同じような問題であっても難易度が大きく分かれたものがあった。このような問題については、教師の目から見ても説明ができないため、学生にインタビューなどをして原因を探る予定である。
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Research Products
(2 results)