2011 Fiscal Year Annual Research Report
在中国日本関連遺跡及び記念物の基礎研究-中国における日本イメージの形成をめぐって
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22520647
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
王 暁葵 愛知県立大学, 外国語学部, 非常勤講師 (80423846)
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Keywords | 戦争記憶 / 異文化イメージ / 南京大虐殺 / 戦争記念館 / メモリアル / オーラル・ヒストリ / 広西戦 / 桂林 |
Research Abstract |
平成23年度は本研究を開始した第二の年にあたる。調査研究計画に基づき、3回の海外実地調査、1回の国内実地調査、2回の学会研究報告を行った。 第1回海外調査は、8月、中国・南京市において実施した。これは去年に続き、南京市にある南京大虐殺を記念する「南京大虐殺記念館」にで、第二回の調査である。去年の調査は、記念館の建設、変遷、展示のあり方及び記念行事などを中心に、中国における戦争記憶と保存・表象のあり方を調査した。今年度は一部の事実の再確認、今年の記念行事への参加、南京大学図書館での関連資料調査を中心に行った。 第2回海外調査は、10月、中国上海において実施した。中国華東師範大学が主催する国際シンポジウム「都市化と都市研究フォーラム」に参加、「戦争、災害の遭難者における記憶研究について」という研究報告を行ったほか、「上海事件」の記念施設を調査した。 二回目の学会報告は、平成23年12月10日~15日に広西省桂林市で行われた、広西桂学研究会、広西抗戦文化研究会、桂林市文化局が主催する国際シンポジウム「李宗仁生誕120周年記念シンポジウム」に参加した。「日中戦争における記録と記憶の研究について」という研究報告を行った。その際、地元の日中戦争の研究者と接触し、「広西会戦」をめぐる戦跡と記念物、記念行事の調査のため、資料取集、調査地の選定を行った。 第3回海外調査は、平成23年12月24~31日に中国広西省灌陽県月嶺村に日中戦に関連する遺跡を調査し、村の戦争体験者及びその子孫へのインタビューをし、日本に関する記憶とイメージ及びその伝承を調査した。月嶺村では、日中戦争中に日本軍が1944年8月-1945年2月にかけて駐在した。今回の調査は、村人は日本軍と「共存」していたこの半年において、日本軍の行動はどのように村人に映っていたのか、口述調査を行った。 国内においては、2011年10月27-29日、東京の国会図書館で南京戦に関連する資料を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に基づいて調査や資料収集を行うことができたため、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策においても、研究計画に基づく調査や資料収集を進める予定である。
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Research Products
(5 results)