2012 Fiscal Year Annual Research Report
在中国日本関連遺跡及び記念物の基礎研究-中国における日本イメージの形成をめぐって
Project/Area Number |
22520647
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
王 暁葵 愛知県立大学, 外国語学部, その他 (80423846)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 戦争記憶 / 日中戦争 / 南京 / 戦争遺跡 / 記念碑 / イメージ |
Research Abstract |
本年度は研究の最終年度にあたる。調査研究計画に基づき、1回の海外実地調査、1回の国内研究報告、1回の海外研究報告を行った。 海外調査は、2013年2月~3月、中国・上海、北京、南京市で実施した。 1.上海において、戦争遺跡及記念物の意義を理解するために、日中戦争の体験者の聞き取り調査を行った。この調査は上海の老人療養施設で、70歳以上の老人を中心に行った。その内容は、日中戦争中の体験、よく行く戦争記念館、記念碑、戦争遺跡、行く時間、回数、目的、同行者、そして時代に合わせて、行く場所、時間、回数などの変化の有無、その理由、記念施設へ行くときの心情、どのような祭祀、記念活動をしたかなどである。これは、現在の戦争記念物が中国社会においての役割を理解するには、重要な意義があると思われる。2.北京において、中国人民抗日戦争記念館及国家図書館に日中戦争関連の資料を調査、確認作業を行った。3.南京大学人文社会科学高級研究院に「近代中国の記憶の場―南京」というワークショップに出席、戦争記憶問題について、特に南京大虐殺をめぐって、日本における研究動向を報告した。 2012年5月、神奈川大学歴史民俗資料研究科に、「中国における日本イメージの形成及びその特徴―月嶺村を例にして」講演を行った。その内容は2012年度に行った広西桂林月嶺村での調査報告であり、戦争中の1944年日本軍がこの村に駐留し、残した遺跡は村人への日本イメージの形成への影響を分析するものである。この報告を通して、戦争を巡って日中間記憶の共有の可能性について日本近現代史の研究者と意見交換ができた。 今年度の調査は、中国における日本人イメージの形成にあたって、戦争遺跡の役割を中心に行った。その三年間の記念物の資料調査と一部の聞き取り調査の音声を文字化し、分析することによって、研究計画の完成に向けて、最終作業を行う。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)