2012 Fiscal Year Annual Research Report
帝国日本の「外地」における相撲の受容と大相撲の「国技化」に関する調査研究
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22520687
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
胎中 千鶴 目白大学, 外国語学部, 教授 (30550818)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 相撲 / 大相撲 / 台湾 / 満洲 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は、1.日本・台湾での資料収集や調査、2.その成果としての口頭発表と論文執筆の二つに大別できる。1については、前年度に続き、台湾・台北の国立台湾図書館を中心に、日本統治期台湾で出版されたスポーツ・文化系の雑誌記事を渉猟し、当時の大相撲興行や、学校教育における相撲教育に関する資料を収集した。また日本国内でも、各図書館や古書店で同様の資料類を探した。 上述の2は、これらの資料の検証成果として、アウトプットしたものである。まず、国際日本文化研究センターの共同研究会「植民地帝国日本における支配と地域社会」(2008-2010)の成果として刊行された論文集『地域社会から見る帝国日本と植民地』(思文閣出版)に、論考「植民地台湾の大相撲興行と「国技」相撲」を発表した。ここでは台湾と満洲で相撲教育に従事したアマチュア指導者の八尾秀雄について、新たに発見した資料に基づく分析を含め、彼の相撲観と当時の日本の帝国ナショナリズムとの関連性を中心に論じるとともに、戦時期の大相撲をとりまく状況を戦時の「国技」という位置づけから考察した。 上述の論考に関しては、国立台湾図書館主催の国際シンポジウム「近代東アジアにおける台湾」に招かれ、口頭発表をする機会にも恵まれた。さらに、高校教員を主な読者層とする山川出版社の雑誌『歴史と地理』(659号)において、「植民地台湾と相撲」と題するエッセイを執筆した。 総じて今年度は、これまでの資料収集や資料分析の成果を、論考や発表などで広く社会に還元する作業に重点が置かれた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)