2011 Fiscal Year Annual Research Report
内陸アジア出土4~12世紀の漢語・胡語文献の整理と研究
Project/Area Number |
22520727
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Research Institution | The Toyo Bunko |
Principal Investigator |
土肥 義和 財団法人 東洋文庫, 研究部, 研究員 (10104746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 誠 財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (50110979)
片山 章雄 財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (10224453)
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Keywords | 内陸アジア / 敦煌 / 吐魯番 / 漢語 / 胡語 / 洛陽 / 開封 / 石刻 |
Research Abstract |
研究代表者土肥義和と研究分担者岡野誠・片山章雄の3名は、研究実施計画にもとづき、以下の整理作業と調査研究を行なった。 1.東洋文庫がロシア科学アカデミーから入手した内陸アジア出土文書マイクロフィルム363リール中の、古ウイグル・ソグド語文書マイクロフィルム30リールに含まれる胡語・漢語文書を抽出し、「文書番号・齣数対照目録」のデータベース化の方針を決めて作業に入り、7割程度の進展を見た。リール19の漢文文書全部に関しては、成果提示用のA4で136ページの稿本を作成した。 2.関連する漢語・胡語資料の所蔵機関の調査で、代表者土肥は旅順博物館の吐魯番文書の実見調査を行なって史料学的考察を進め、分担者片山は同館にて吐魯番文書・彩画の綴合や配置、赤外線撮影による判読の作業を進めた。また、片山は北京の中央民族大学新収の吐魯番文書に関する画像と提供者の解説文につき、翻訳公表の了解という副産物を得た。分担者岡野は北京大学図書館で敦煙文書に関わる李盛鐸旧蔵本及び宋代法制文献を実見調査した5土肥と片山の成果は画像提示を含む口頭発表で示し、旅順博物館関係者との共同論文の原稿を完成させて別途発表の予定である。 3.河南省における調査では、代表者土肥は未確認の少林寺や嵩岳書院・永岳寺・法王寺の石刻史料を調査し、また登封市歴史博物館(城隍廟)と中岳廟の石刻史料を調査し、洛陽に移動して龍門石窟研究院で情報収集した。さらに開封では河南大学で情報収集して繁塔の調査も継続し、鄭州博物館にも赴いた。その成果も別途発表の予定である。分担者の岡野は、洛陽の古墓博物館でソグド人墓、龍門石窟で薬方洞を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.の作業は目標の比率に達した。2.の調査は、年度分としては完結して個別論文や共同論文も公表直前の段階にあり、伊v比部副産物を得た。3.の調査においても、新情報と新規実見資料を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成22年度、23年度と計画はおおむね順調に進展しているので、研究計画の基本方針に変更はない。今後は、平成24年度を残すのみであり、マイクロ資料や現地調査の蓄積をまとめるとともに、国内所蔵関連資料の調査の適切な実施も期す。
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Research Products
(7 results)