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2012 Fiscal Year Annual Research Report

ロシア正教の教義確立とフィラレート

Research Project

Project/Area Number 22520728
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

兎内 勇津流  北海道大学, スラブ研究センター, 准教授 (50271672)

Project Period (FY) 2010-04-01 – 2013-03-31
Keywordsキリスト教と政治 / フィラレート(ドロズドフ) / アレクサンドル一世 / 宗教行政
Research Abstract

本研究は、19世紀におけるロシア正教会の教義確立を、19世紀初頭から中葉にかけてロシア正教会において最も重要な聖職者であった、フィラレート(ドロズドフ, 1782-1867)との関わりにおいて解明することを目的とした。
本研究の過程で明らかになったことは、1) フィラレートは、正教会の中に閉じこもらず、世俗の知識人たちとも広く交際し、聖職者には珍しいほど、俗界との知的な交流を持っていたこと。特に、1810年代後半の「アルザマス」グループとの交流においては、政治・社会についての改革への志向がかなりの程度共有されていたこと。
2) ロシア正教の教義について、フィラレートは、少なくとも1808年の段階では、教会の伝承より聖書を重視する、プロテスタント的な傾向がはっきり認められる文書を作成しており、それが、正教会の中でも通用していたこと。
3) アレクサンドル一世期のロシアで、特に1810年以降に進められた宗教行政の再編成は、統領政府期のフランスでナポレオンが推進した宗教政策、および、その少しあとで展開した、プロイセンにおける宗教行政との関連が深いこと。しかし、国教的地位にあったロシア正教会は、キリスト教諸宗派の一つという位置づけに落とされ、存在意義がおびやかされるとして、次第にその主導者たちを神秘主義者として非難を強め、1824年に至って、宗教・教育省の解体とともに、再編成の試みは挫折したことを明らかにした。
ロシア正教会の関係者は、シノード制について、国家が教会を管理する不正常な状態として、教会会議の開催と、ピョートル一世期に廃止された総主教制の復活を求めるようになるが、上記の宗教行政再編とその挫折は、こうした言説が生まれた原因と考えられる。なお、1917年になって、ついに教会会議(地方公会)が開催され、総主教制は復活した。

Current Status of Research Progress
Reason

24年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 Other

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] データベースによる「トルキスタン集成」の構成分析2013

    • Author(s)
      兎内勇津流
    • Journal Title

      CIAS Discussion Paper

      Volume: 34 Pages: 13-18

  • [Presentation] ヨーロッパ史の文脈から見たアレクサンドル1世期ロシアの宗教政策

    • Author(s)
      兎内勇津流
    • Organizer
      「プラトンとロシア」研究会
    • Place of Presentation
      神戸市外国語大学(神戸市)

URL: 

Published: 2014-07-24  

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