2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520735
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 まゆ帆 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (60192697)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 多数決原理 / 助産婦 / ローマ法 / フランス近世 / 社会史 / 国家主権 / アルザス / ロレーヌ |
Research Abstract |
平成24年度は単著の完成に向けて必要な作業に専心した。まず、8月~9月にかけての50日近いパリ滞在の間に、国立図書館等で文献探索を行った。この間に、既発表の論文や研究会・学会等での発表草稿等を包括的な視野から整理しなおし、内容を補足しつつ一貫した秩序のもとに並べ替え、構成し直すことで、単著の序章と第I部、第II部にあたる本文を執筆し終えた。 残る第三部は、本書全体の謎に答える終結部にあたるが、これは近世期フランスにおけるローマ法継受の歴史に関わる第9章と、18世紀後半の王国辺縁部の村落共同体のソシアビリテに関する第10章、そしてこの時代の助産婦養成事業における助産の身体との関わりを掘り下げていく第11章の3つの章からなる。今年度中には、このすべてを完成させることはできなかったが、このうちの第9章については、3分の2にあたる部分を論文としてまとめている。この部分は、古代ローマに遡る多数決原理の起源や中世における原理の展開過程、およびルネサンス以降のフランス王国へのローマ法の浸透あるいは活用と受容の過程をたどったものであるが、最終的には17~8世紀の王権の動きと村落共同体の集団の意思決定の間の関係を探る試みである。この執筆を終えている部分は、2013年度の秋にミネルヴァ書房から出版される別の共著に掲載される予定である。 残されているのは、したがって、この第9章の近世期の実際を史料に即して考察する最終節と第10章、第11章であるが、これらについてもすでにパリの国立文書館はもとより、アルザスやロレーヌ、ブルゴーニュやシャンパーニュの文書館等で収拾した諸文献が手元にあり、これらをもとに執筆に向けた作業を進めてきた。 夏季の海外調査は、関連する研究書、史料集に豊富に出会う機会となり、同時にすでに見ていた史料をあらためて読み直し分析しなおす機会にもなり、課題遂行上たいへん有益であった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)