2011 Fiscal Year Annual Research Report
多民族都市レスターの多宗教統合と南アジア系コミュニティ
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22520755
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
佐藤 清隆 明治大学, 文学部, 教授 (90235333)
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Keywords | 多民族都市レスター / ヒンドゥー / シク教 / シク画家 / ナムタリ / ムスリム / パーソナル・ナラティヴ |
Research Abstract |
(1)ヒンドゥーについては、インタビューやヒンドゥー寺院の訪問など、調査研究を続けてきている。(2)シク教徒については、聖者崇拝を重視するシク宗派のナムタリの歴史を、参与観察やインタビューの調査を利用しながら、カースト制との関連で明らかにし、その研究成果は『明治大学人文科学研究所紀要』第70冊に掲載された。(3)ムスリムについては、南アジア系(インド、パキスタン、バングラデシュ)、なかでもとりわけインド系ムスリムに注目して調査を進めてきている。2012年度に、インド系ムスリム・ビジネスマンの『インタビュー集』(英文)を刊行予定である。 (4)(1)~(3)の研究・調査と並行して、レスター移民の『インタビュー集』(英文)の冊子化を進めてきているが、昨年度は、シク教徒の画家とその妻の『インタビュー集』を刊行した。1959年にインドのパンジャーブ地方から渡英してきたシク教徒の画家と1965年に結婚のため渡英してきた妻のライフ・ストーリを、インタビューをもとに編集したものである。「パーソナル・ナラティヴ」から、彼らの家族・故郷・レスター・イギリスの世界を照射した冊子である。 (5)2010年10月、明治大学特定課題ユニットの一つとして「多宗教・多文化の歴史研究所」を立ち上げ、「メモリー・アンド・ナラティヴ」シリーズの刊行(英文)を開始し、すでに四冊を刊行しているが、最初の二冊については、すでにイギリスでも注目され、国際的に著名な雑誌『オーラル・ヒストリー』(vol39,2011)に「新刊紹介」として紹介され、またレスタシャーの著名な歴史学雑誌『レスタシャー・ヒストリアン』(no.47,2011)に「書評」が掲載された。 (6)同研究所で、2011年度から「パーソナル・ナラティヴ」の研究会を開始し、計2回開催した。今後も継続していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外出張のレスター滞在中に、インタビュイーの都合が悪くなり、インタビューのできない方がでて、予定の人数のインタビューを実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年度は、本研究の最終年度に当たるので、これまでの研究・調査の分析や既発表論文などをベースにして、多民族都市レスターの南アジア系移民の歴史をまとめる作業を進める。なお、2011年度にインタビューのできなかった方たちについては、2012年度の海外出張中に実施し、これまでの研究・調査を補う。
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Research Products
(5 results)