2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520762
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
橋本 博文 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (20198691)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 豪族居館 / 古墳時代 / 変遷過程 / 律令官衙 / 邸宅 / 弥生環濠集落 |
Research Abstract |
最終年の当年度は、北関東最大の後期の豪族居館、群馬県伊勢崎市原之城遺跡の測量調査を前年度に引き続き実施し、おおよその完成をみた。その測量図をもとにした発掘調査を企画したが、行政側の協力が得られず、発掘調査は実現しなかった。そこで、同市所蔵の、同じく後期の豪族居館今井学校遺跡の土器を実測し、同時存在の遺構を検討する基礎資料を得ることができた。 また、次善の策として、栃木県最大の豪族居館、権現山遺跡の発掘調査を昨年度に引き続き実施した。今年度は、初年度に行った南東区と南西区の囲郭施設の再検討と、南東約200mに離れて存在する別の方形囲郭施設、SG5区の実態解明を目的に発掘調査を遂行した。その結果、北側の居館本体は、南辺の溝が南東コーナーから西に約80mの地点で曲がってしまうことが判明し、居館の規模が当初想定していたよりも小さくなることが明らかになった。また、それに接して別の大規模な堀がコーナーを形成して存在することが確認され、しかもそれが居館本体よりも一時期古い、5世紀前葉になることが出土遺物から察せられた。ここに、別の居館の存在する可能性が浮上してきた。南西区では昨年度の調査で掘立柱建物址の検出された南西の位置から2間×2間の倉庫址と推定される総柱建物址を確認することができた。 一方、南のSG5区では、以前の栃木県の調査で確認されていた方形囲郭施設の南辺の続きの堀と柵列が検出され、出土遺物から北側の居館本体とほぼ同時期の5世紀中葉になることが判明した。他に、堀の年代を明らかにするため堀堆積物のテフラの同定を行い、遺構の相対年代観を確実なものにできた。 なお、調査・研究成果の地元での還元・展示を年度内に行う準備を進めていたが、受け入れ側の栃木県しもつけ風土記の丘資料館の担当者の異動などにより、実施は年度を越えて25年4月20日からとなってしまった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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